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500m防水!力強いスパニッシュデザインのダイバーズウォッチ。Vltimatvm Watches「Abyysmaster 500」

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Sponsored by Vltimatvm Watches


今回はスペインのマイクロブランドVltimatvm Watchesが現在Kickstarterでキャンペーン中のAbyysmaster 500をご紹介しよう。

ブロンズ製ケースが印象的で500m防水という優れた耐水性能を誇る、力強さ溢れる腕時計だ。



Vltimatvm Watches - Abyysmaster 500




子どもの頃から腕時計好きだったというRubén Perez Rubio氏は2年前にUnyber Watchesというマイクロブランドを設立した。こうして子ども時代の夢を叶えたRubio氏だが、マイクロブランドをやっていくのはそうたやすいことではない。その時の経験から様々な学びを経て、新たに設立したマイクロブランドが今回のVltimatvm Watchesなのだ。

スペインの首都マドリードで新たな腕時計のためにデザインと開発を行ってきたVltimatvm Watchesが満を持して送るのがAbyysmaster 500。ヴィンテージ腕時計に通ずる美観と、独特の外観が印象的な、漆黒の深海へと潜水するダイバー達へと捧げた腕時計だ。


ケース



高品質ダイバーズウォッチの性能を備え、力強く「一目見ただけで忘れられない見た目」を持つ時計を目指したAbyysmaster 500。深海への旅と命をかけて挑んだパイオニア達からデザイン要素を抽出した。より平たく言えば、抽出元の要素は1800年代や1900年代半ば頃まで使用された重厚な潜水服と言うことができるだろう。


そのような潜水服のヘルメット部は銅でできているのだが、このAbyysmaster 500はブロンズ(青銅)でできている。その重厚さと独特の色合いは確かに見るものに共通性を感じさせることだろう。Abyysmaster 500のケースに使用されているのはブロンズの中でも高い耐腐食性を持つと共に、長年の海での使用にも高い耐久性を示すCuSn8ブロンズだ。

ケース幅は43mm、ベゼルは45mmと重厚感たっぷりだが、厚みは15mmと控えめであるのは嬉しいところ。

12角形の形状が印象的なベゼルは、逆回転防止式の120クリック。これもケースと同じブロンズ製だ。ベゼルのインデックスにはスーパールミノバC3蓄光塗装がなされている。蓄光色は緑だが、光っていない時は黄色で、ブロンズ製のベゼルと違和感がない。


側面から見るとベゼルの縁の面取りや、ラグの傾斜、そして竜頭に刻まれたVltimatvm WatchesのVのマークがよくわかる。


ケース裏は中央に向かい傾斜していて、肌に触れる面はケース径よりだいぶ小さい。力強い印象を与える裏面はシースルーバック。使用するムーブメントはSellitaのワークホースムーブメント、自動巻き機械式SW200-1となっており、裏面からその動きが見えるのも嬉しい。


文字盤



各時のバー・インデックスもベゼルと同様にスーパールミノバC3蓄光となっており、光沢のあるブロンズ/ゴールド色の縁取りが成されている。12時のインデックスは珍しく台形をしており、6時方向にはインデックスと同様に縁取られた日付窓がある。

針は時分秒の3針で、これらもベースの色はインデックスの縁取りやケース色と同色。時針はアロー型、分針はペンシル型、秒針は先端近くに長方形が付いた形状で、どれも内側がスーパールミノバC3蓄光となっている。


ダイヤルリングには白字で分刻みが記してあり、5分おきにはアラビア数字が書かれている。

文字盤内にはブランド名VLTIMATVM、モデル名ABYYSMASTER 500、そしてムーブメントのAUTOMATIC表記が見られるが、全体的に文字盤内の要素はシンプルにまとめられており、見やすい。


そんな文字盤を守るのは、2重にARコーティングを施したサファイアクリスタル製の風防だ。


ベゼルと文字盤、針は蓄光するとこうなる。


文字盤のカラーは、ブラック、ブルー、グリーンの3色が用意されている。


ストラップ



Abyysmaster 500には2種類のストラップが付いてくる。一つは文字盤の色とマッチしたものとなっており、ラバー製。ラバー製のストラップは、ラグ部分では24mm幅となっており、バックル部では20mmと細くなっている。


もう一つはよりドレッシーな機会にピッタリ、ヴィンテージ風の見た目のレザーストラップ。こちらはラグからストラップまで24mm。


どちらもCuSn8ブロンズ製の20mmバックルが付いている。バックルにはブランド名が入っている他、レザーストラップの方ではVのマーク部分が突出、側面に中抜きが施してあるなど、ケースと同様にこだわった形状をしている。

レザーは水に強くないため、防水性能を必要とする機会にはラバー製ストラップ、よりお洒落さが必要な場面ではレザーストラップ、と付け替えられるのは嬉しいことだ。


加えて、腕時計とストラップ2種、そしてストラップ付け替えツールの全てが収納可能な素敵なレザーケースも付いてくる。


まとめ



クラウドファンディングキャンペーンにダイバーズウォッチは数あれど、500mの防水性能を持ったものはそう多くない。それに加えて目を惹く特徴的な形状、レトロな潜水服ヘルメットを彷彿とさせるブロンズ、状況により使い分けることのできるストラップにレザーケース、とAbyysmaster 500は他にはない魅力もたっぷりの腕時計となっている。

今回Vltimatvm Watchesの創設者であるRubén Perez Rubio氏から日本の読者の皆様へコメントも戴いているので最後にご紹介しよう。

このプロジェクトを造り上げた我々は時計への情熱に溢れた友達からなる少人数のグループです。Abyysmaster 500は最初のダイバーたちへのトリビュートとなる腕時計となっています。


Abyysmaster 500のKickstarterキャンペーンは残り25日を残し目標金額の半数以上を達成している。KickstarterキャンペーンのリワードではAbyysmaster 500が一般販売予定価格よりも約40%ほど安価に提供されているので、この腕時計に興味を持った方は訪れてみると良いだろう。




Image courtesy of Vltimatvm Watches

Source: Vltimatvm Watches, Kickstarter

(abcxyz)

より強く、より逞しく。安価ながらチタニウム製ケース採用のツールウォッチBOLDR Ventureレビュー

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Sponsored by BOLDR Supply Co.

今回はBOLDR Supply Co.から、安価でありながらチタニウム製のボディーを採用し、実用性が高いツールウォッチ、「BOLDR Venture」をレビューさせて戴く。

「大胆、勇敢」などを意味する「bold」、そしてその比較級の「bolder」を簡略化して「BOLDR」と社名にしたこのブランドは、Travis、Leon、Isaの三人により2010年に設立されたブランド。シンガポールとマレーシアを拠点にしながらも世界中で活躍し、Kickstarterでも3度の成功を収めている。

レビューの最後には5月31日まで有効な10%オフクーポンコードも紹介させて戴くのでお見逃し無く。



開封



黒く、テクスチャーの入った箱。


蓋を開けると中にはなんとも豪華なポーチとボールドなスティッカー。


腕時計と同じくカーキ色の帆布ポーチは、内側がより柔らかい素材の裏地になっている。レザー製のポーチストラップは、ポーチのハトメにカシメで留められている。しっかりとした作りで美しい。


そしてポーチの中に入っているが今回レビューする「BOLDR Venture」、カラーリングはカーキ色のAdventure Khakiだ。(なお竜頭にはクラウンストッパーが付いているので時計が動かないことにパニクらないように、落ち着いてクラウンストッパーを外し、時刻合わせをしてから竜頭を押し込もう。)

ポーチポケットの中には保証書とブランド紹介のカードも入っている。保証書は半分が半透明のプラスチックカードに製品名、シリアルナンバーとバッチコードが刻印されていてカッコいい。


ケース



ケースは38mmと小ぶりで、16~17cmほどの私の手首周りサイズでも、手首幅とケース径の比率的に丁度よくフィットする。


ケースは実は航空宇宙グレードのチタニウム製。チタニウムは、よく腕時計ケースに使用されるステンレススチールと比較して比重が40%程軽量であり、錆びにくく、更には強度もステンレススチールの2倍もあるとされる。

また、低アレルギーであることも大きな利点。汗ばんだときに、汗により金属イオンが溶け出し、それにより皮膚がかぶれる*という所謂「金属アレルギー」の経験をお持ちの方もおられるだろう。これはステンレススチール製ケースの腕時計ではよく起こるのだが、チタニウム製であれば汗をかいても金属イオンが溶け出ず**、そのためかぶれることがないとされる。
*SEIKO, **チタン結婚指輪プロドット


なお本腕時計に付属するストラップは、腕時計のケース裏も通るNATOストラップであるため直接ケースが肌に触れることはほぼ無いだろう。そうは言っても一般的なタイプのストラップに変えた際にはケースが腕に触れることになるため低アレルギーであるチタニウム製である利点は意味を持つだろう。なお、安価なレザーストラップの中には、レザーをなめす際に金属であるクロムを用いているものがあり、これも汗により溶け出して金属アレルギーを引き起こすとされる。なのでも金属アレルギーをお持ちで、この腕時計をレザーストラップで使用するという際にはレザーが「植物なめし」されたものを買い求めると良いだろう(植物なめしは金属なめしよりも自然にも良い)。


ケース形状は、文字盤周りに外向きに僅かな傾斜と角をもつ円形。ラグは円形の本体から飛び出し、ストラップバーを挟み込むペンチのような形となっている。内側はストラップ幅と同じ幅の直線、外側は先細るペンチのように内向きに傾斜している。


ケースを横から見るとラグはベントタイプのラジオペンチのように下向きに傾斜しているのもわかる。


ケースはラグの内面とラグ裏面外側を除き全て100度以上の傾斜となってる。先にも述べたようにチタニウムはとても堅い素材であるため、あまり鋭角だと危険だが、BOLDR Ventureのケースはゴツさも残しつつも外面に鋭角は存在しないよう面取りされている。


竜頭は4時位置にあるため、手首を目一杯手の甲側に動かしても竜頭が手に食い込まない。ケース径が小さいため竜頭が3時にあっても食い込むことはないだろうが、ツールウォッチとしての実用性の追求が現れていると言えよう。

風防は傷が付きづらいサファイアクリスタル製。平坦なクリスタルで、ケースからは僅かに出っ張っている。なお内面にはARコーティング(反射防止コーティング)がなされている。


ケース裏蓋は多少色が明るいがこちらもチタニウム製。「X」字を象った中に「VENTURE」、「BOLDR」などの文字が入り込んだデザイナーによるアートが刻印されている。


使用ムーブメントはスイスETA製のクオーツ、802.10。クオーツムーブメントの採用もツールウォッチとしての選択だろう。なおBOLDRによればこのムーブメントは最高36ヶ月のバッテリーライフを持つ(ETAによれば理論上は40ヶ月)。


文字盤



文字盤も当然ながら実用重視。各時部分にドット、分ごとに線状の記しがある他、1時から12時間のインデックス表記に加え、13時から24時までの小さなインデックスがその内側に位置する。

BOLDRのロゴと社名は12時方向に。モデル名「VENTURE」と100m防水の表記は6時方向に。

時分秒針のシンプルな3針。時分針はその中に蓄光部分が、秒針は先端付近に蓄光部がある。


蓄光部は各時のドットと、1から12のアラビア数字のインデックス部分、そして時分秒針。蓄光材はSuperlumeが用いられている。


文字盤面はブラックで針を除く全ての要素は白色。この可視性の高いコントラストも実用重視の結果だろう。針はケース色に近い銀色であり、蓄光部分は僅かに黄緑色を帯びた白色。秒針のみが蓄光を囲む部分から先端にかけてがオレンジ色に塗られており、ワンポイントの彩りを与えている。


ストラップ



ストラップはNATOスタイル。本モデルはAdventure Khakiカラーのものなのでカーキ色のNATOストラップとなっている。


もちろんループとバックルもケースと同色のチタニウム製だ。


16~17cmほどの私の手首周りサイズでは、丁度よい設定にしてもまだより小さい設定方向に4つも穴が開いている。これまでレビューしてきた(主に日本を含むアジアで未展開の)腕時計ブランドの多くでは、私の手首サイズではストラップの径を丁度よい設定にするためには、穴が径を小さくするには不十分なものが多かったが、このBOLDR Ventureのストラップならかなり手首が小さな人にも丁度よいストラップ設定が見つかることだろう。


NATOストラップを使用したことの無い方は、穴の合計数が13個もあることや、ケースの裏をストラップが通ること、普通に装着するとストラップの先が余ることに驚かれるかもしれない。NATOストラップは実はジャケットやコートの上から装着できるようになっているのだ。


そのためストラップ径をとても大きくすることが可能となっている。腕にそのまま装着する場合は余ったストラップを折り返してストラップループに入れ込めば良い。「NATO」の名称はNATO軍で採用されているからだとか。


まとめ



抜群の実用性。そして133.07 EUR(記事執筆時の日本円で約1万7000円)と安価ながらも、一般的なステンレススチールではなくチタニウムを用いたケースとなっており、強く、軽く、低アレルギー。さらに傷に強いサファイアクリスタル製の風防を採用し、つけ心地も良く、蒸れづらく、長さ調節も幅広いNATOストラップ、そして信頼のクオーツムーブメントの採用。

少々激しい作業を行っても正確に時を刻み、高い可視性で時刻を示す、ツールウォッチとして必要十二分な性能を持つ。


特に軽いことは正義。クオーツムーブメントを採用しているので自動巻きムーブメントの時計よりも軽いのは当然ながら、同サイズのステンレススチール製ケースと比較しても軽い。更にバックル部の金具にもチタニウムを採用したNATOストラップのお陰もあって腕につけていることを感じさせない軽さ(ストラップ含め約40g)となっている。

腕時計に高級感を求める人には向かないだろう。しかし手頃で実用一筋で「よりBOLD」な、即ち「BOLDR」な腕時計を求める人には最適な一本だ。


なお今回特別に当ブログ読者の皆様向けにBoldr製品が10%オフとなるクーポンコードを提供戴いている。クーポンコードは5月31日まで有効で、コードは「thxpalm」となっている。(なおこのクーポンが用いられても私には何ら利益は入らない)


BOLDR Supply Co.公式ウェブサイトでのお買い物の際に、チェックアウト時に画面右側に現れる「Gift card or discount code」の部分にコードを入力し「Apply」を押すと適用される。このスクリーンショットでは既に適応して10%引かれた価格が表示されているのが確認できるだろう。

BOLDR Supply Co.の製品に気に入ったものがあれば是非ともお使い戴ければと思う。


Source: BOLDR Supply Co.

(abcxyz)

1950年代のポーランドの名車「ワルシャワ200」を腕時計に…Xicorr 200提供レビュー

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豊かな歴史に世界遺産、ショパンにキュリー夫人などでも知られる、バルト海に面するポーランド。最近では日本からの旅行先としても人気のこの国ではもう国産自動車は製造されていない。しかしかつてはFSOという自動車会社により国産車が作られていた。

今回レビューするのは、FSOの優雅な車Warszawa 200を称えて作られた腕時計。ポーランドのマイクロブランドXicorrの「Xicorr 200」だ。

なおXicorrは今回特別に5月末までXicorr 200ラインの日本向けへの送料無料キャンペーンを行ってくれるとのことなので、興味をお持ちの方はこの機会をお見逃し無く。



FSO Warszawa 200



image by Marek Argent, CC BY-SA 4.0

この腕時計は実はポーランドの自動車ブランドFSOのWarszawa 200(上写真)という自動車をモチーフにしたものだ。日本では馴染みが無いかもしれないのでまずはそこからご紹介しよう。

Wikipedia日本版によれば、Fabryka Samochodów Osobowych、略してFSOは1951年に当時のポーランド統一労働者党の政府によって作られた。ポーランドの首都ワルシャワ市内に工場が作られたFSOの記念すべき最初のモデルは、ソ連のGAZ社設計のGAZ-M20 Pobedaをライセンスしたモデル、FSO Warszawaだ。Wikipedia英語版によればFSO Warszawaは頑丈で耐久性が高かったためタクシー車として人気があったものの、車体が重いためにパワー不足そして燃費の悪さでも知られていた。


image courtesy of Xicorr

FSO Warszawaは1951年から73年まで作られており、当初はライセンス元と同じ作りのものだったが、1957年に改良モデルが作られた。当初「FSO Warszawa M20 model 57」と名付けられたこのモデルはすぐに「Warszawa 200」と改名される。このモデルは、よりエンジンがパワフルになり、配線関連の変更も行われたほか、新たなグリル、側面の変更、ウインカーの形状も変わったほか、特徴的なフードクレストマークが加わるなど、外観にも変更が加わったアップグレードモデルである。後には1962年に OHV I4エンジン採用のWarszawa 223やその後継機も出ているが、今回の腕時計のインスピレーション元となったのはこのWarszawa 200だ。


開封



まずは化粧箱の一部ではない段ボールから。化粧箱では無いがきちんとロゴと内容物の表示がある。


ロゴ入りの黒い化粧箱。通常このような化粧箱は、木製であることが多いが、実はこれ金属製!


アルミニウムに塗装し、刻印が成されている豪華仕上げだ。


スライドさせると中は柔らかな気泡ゴム製となっており、時計と内容物は柔らかく守られている。


ケース



ケースは径が42mm、厚みは11.7mm。シンプルな円柱からラグと竜頭が突き出した形状だ。


横から見るとケースが上、中、下の三層構造であること、そして中層から伸びるラグの傾斜を見ることが出来る。


ケースの材質は316Lステンレススチール。部位によって異なる方向に削り出しのヘアラインが見え、どこかしらオートモービル的な要素を思い起こさせる。


竜頭は3時と4時の間にある。竜頭の側面はグレネード状の突起がある。一方向にのみ筋の入ったコインエッジのものなどと比べ、突起が若干掴みやすいほか、それぞれの突起の面が光を反射する。このため遠目に見ても竜頭が目を惹きつけるポイントとなっている。


竜頭はねじ込み式。ねじ込みは深め。


竜頭の頭にはXicorrの頭文字であるXの記し。


image courtesy of Xicorr

これがFSOのWarszawa 200からインスパイアされた腕時計であるというコンテクストを考えれば、この左右非対称のXマークが当時のFSOのロゴ(Oの中にFとSが縦に連なり中心より水平に線が延びる)に重なって見えなくも無い。なお写真はそのロゴマークが見えるWarszawa 203。


ケース裏には美しいWarszawa 200の姿が細かく刻印されている。その下方にはブランド名とロゴ、シリアルナンバーの刻印。車を囲む円枠にはポーランド語で腕時計の性能などが記してある。これは個人的に非常に嬉しい。どの国で作られた腕時計であったとしてもこの部分の表記にはほとんどの場合自国言語が用いられることは無く、英語で記されているのだ。その方が国際的にわかりやすいという事もできるだろうし、ポーランド語が難しい言語であることも知られている。しかしこの部分に成される表記のバリエーションは非常に限られているし、結局購入時にわかるものだし、ブランドと型番が判れば簡単に調べることも、最悪Google翻訳でも解る内容。製造国の言語で書いてあった方がよっぽど面白いし、このような現状の中ではそれが大きな個性となる。

ここで見られるのは「STAL NIERDZEWNA」(ステンレススチール)、「WR 100M/10ATM」(まあこの場合WRはwater resistantの略かもしれないが)、「SZKŁO SZAFIROWE」(サファイアクリスタル)、そして誇らしげな「WYPRODUKOWANO W POLSCE」(ポーランド製)の表記。


スクリューバックとなっているケース裏、その溝部分の傾斜角度が急なため、人によっては手首で時計が動く際に軽い引っかかりを覚えることもあるかもしれない。これはストラップを緩めにして着用することで解決されるが、もし角が面取りされていればこれが根本的に解決されたのではと思う。

使用ムーブメントは信頼の日本製、自動巻き機械式で手巻きにも対応のTMI NH35Aだ。なおTMIはセイコー・グループのグループ会社。

風防は、内面に反射防止コーティングが成されたサファイアクリスタル製。


文字盤



文字盤全体は、ケース形状と相まってスピードメーターを彷彿とさせる雰囲気。


image courtesy of Xicorr

それもそのはず、インデックスのアラビア数字は、Warszawa 200のスピードメーターや車内時計に用いられていたフォントに似せられている。


スピードメーターも車内時計もアラビア数字の内側に、分刻みの印と、5分刻みのドットがあるのだが、この腕時計ではそれがアラビア数字の外側にあるダイヤルリングに記されている。

ダイヤルはダイヤルリングと、その下部にある蓄光部にサンドイッチ状に挟まれる面白い仕上げ。ダイヤルの数字部分は切り抜かれており、通常は下層に位置する白い蓄光層が見える仕組み。ダイヤルリングの印とドット、数字も蓄光。


蓄光するとこんな感じ。使用されている蓄光材はC1。


文字盤の中央部分はWarszawa 200の印象的なグリルがあしらわれている。


カレンダー窓は竜頭と同じく3時と4時の間部分に位置する。


針は時分秒針の3針。時分針はペンシル型で、中が蓄光する。秒針は黒色で、先は白。なお秒針のお尻側の形状は、Warszawa 200のフードクレストマークの形を基にしたものとなっている。


面白い点として、時計外周のケース部は円周状にヘアライン仕上げとなっているのだが、その内側の風防下部分、丁度ダイヤルリングの外側に当たる部分は鏡面仕上げ的になっており、見る方向により周囲の景色を反射する。写真によってこの部分が黒に見えたり銀に見えたりするのはそのためだ。

レビューモデルはWarszawa 200にも見られるボルドー色。深い赤色の文字盤が、黒いストラップ色と相まってヴィンテージカー的なエレガンスを産みだしている。カラーバリエーションは他にも文字盤色がより鮮やかな赤のもの、黒のもの(秒針色は赤)、そして黒とボルドーのコンビネーションのもの(こちらも秒針色は赤)と、黒と赤のコンビネーションのものがある。


ストラップ



ストラップは22mm幅、レザーとシリコンの2種が付属する。ストラップはクイックリリース式では無いが、ストラップ付け替えツールも付属するので、今そのようなツールを持っていないという方でも付け替えが可能だ。


レザーのものは厚みは実測3.9mmと分厚く、色はブラック。表面は白い糸によるスティッチ、裏面は黒糸によるスティッチだ。ストラップ穴は大きめの丸穴。


ストラップループは両方共に固定されていない(多くの腕時計ではバックルに近い側のストラップループは位置が固定されている)。はっきり見て取ることは難しいが、ストラップループの一方には「Xicorr」と型押しがなされている。


ストラップループの裏面は、ステープラーのように金属片により貫き巻き込むことで固定されている。この部分の仕上げにも様々な方法があるし、一般的な糸により繋ぐ方法と比べると耐久性がありそうにも見えなくは無いが、少々安っぽく見え無くもない。だがよく見るとこの部材もケースやバックルと同様にヘアライン仕上げとなっており、全体的な統一感はある。


Xicorr 200のバックルは個人的には好み。これまでレビューしてきた腕時計のうち、ここまでの分厚さのレザーストラップを持つもののほとんどは、バックル側面に突起した、ストラップ部よりも大きく幅を持たせた形状のものが多い。例えばパネライ・スタイルとも言われるようなそのようなバックルは、グローブなどを着用したまま腕時計のつけ外しをするには良いかもしれないが、そのような使用法をしない限りは不必要に大きく、時計重量を重くする存在である。そのようなものとは対称的にXicorr 200のバックルは必要最低限の幅かつ、厚さも適度で好ましい。


もう一つ付属するシリコンストラップ。複雑なテクスチャーの表面は、シリコンながらも白い糸でのスティッチも面白い。ストラップループも表の面には同様のテクスチャーがあしらわれている。


裏面はシリコンらしい腹筋状の切り込み。裏面側のスティッチは溝の中に綺麗に収まっている。


レザーストラップのバックルはヘアライン仕上げ、シリコンストラップのバックルは艶出し仕上げとなっている。


まとめ



image courtesy of Xicorr

ポーランドの国産自動車からインスパイアされた、ポーランド生まれの腕時計。腕時計好きならそれだけでも価値がある腕時計であろう。


価格は1399ポーランドズウォティ、記事執筆時の日本円で約4万1000円+送料となっている。国際保証も付いており、サービスポイントはポーランドのワルシャワにある(ちょっと遠いが)。

また、冒頭にも記したように今回特別に5月末まで日本へのXicorr 200ラインの送料無料キャンペーンを行っているので気になる方はこの機会をお見逃し無く。発送はポーランド郵便の国際郵送サービスを使用したものとなる。購入はXicorrのウェブサイトからどうぞ。

XicorrのAdam Tomaszewski氏から日本の読者の皆様へコメントを戴いているので最後にご紹介しよう:

私は日本のお客様にXicorr 200をご紹介する事が出来て大変嬉しく思います。このユニークなデザインと50年代のポーランドの自動車へのリファレンスを日本の皆様が気に入ってくださることを願っています。


Source: Xicorr Watches

(abcxyz)

スペインから世界へ飛び立つラグジュアリー腕時計…文字盤の世界地図にGMT針が美しいCuleM Watches「World GMT」

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Sponsored by CuleM Watches

今回ご紹介するのはスペインのマイクロブランドCuleM Watchesが、5月7日よりKickstarterでキャンペーンを開始した、同社のファーストコレクション「World GMT」。

世界地図が描かれた文字盤に、GMT針、自動巻き機械式ムーブメント、そして世界各地の24都市のGMTベースの時差と夏時間が印してある。世界を旅する事をコンセプトに細やかなディテールまでこだわった腕時計となっており、スイス・メイドであることも特徴だ。



CuleM Watches



CuleMの創設者であるMatthew Cule氏は、世界中を旅する起業家。10歳の時に両親から腕時計を贈られたのが彼の腕時計との出会いだ。


そんな、世界を股にかけて活躍する男が生み出す最初の腕時計はもちろんGMT仕様だ。だがただのGMT時計には終らないところがこの腕時計の面白いところである。


ブランド名CuleMは創設者の頭文字であると共に、110以上の小さいパーツからなる腕時計(「-cule」は「小さい」という意味合いを持つ接尾語)、そして自動巻きムーブメントを指す「M」という意味合いも含んでいる。ブランドロゴでもM部分が他と異なる形状をしていることでこの要素の違いが見える。なおスタイライズされた「C」部分にはさらに別の意味合いも含まれている。それについてはケースの竜頭部分で説明させて戴く。


なおCule氏は既にこのWorld GMT以降のコレクションについても計画を立てている。以降はヨーロッパ、アフリカ、アジア、など各国地域をテーマとしたものとなり、これは合計9のシリーズからなるものの第1弾という意味合いも持つ。その意味でも今後の展開が気になるブランドだ。


コレクション



(左よりThe Frame、The Lights、The Portal。)

World GMTコレクションはThe Frame、The Lights、The Portalという三つのデザイン(違いは主に文字盤と針にある)からなり、それぞれ数色のカラーバリエーションが存在する。使用ムーブメントや裏蓋デザインなどは共通する。


The Lightsは暗所で小さな白色の蓄光が世界の街の明かりのように光るようになっている。カラーバリエーションはブラック、ブルー、ゴールド。


The Portalは世界地図が3次元風となっているのが特徴。カラーバリエーションはブラック、ブルー、ゴールド、グレー。

以下ではThe Frameをご紹介していく。他のコレクション詳細は是非ともKickstarterキャンペーンをご確認戴きたい。


ケース



ケースは316Lステンレススチール製で、ケース径は40mmと大きすぎないサイズ。ケース高は11mmだ。風防はサファイアクリスタル製で、反射防止コーティングが成されている。

竜頭の頭頂部には同社の頭文字である「C」の文字が刻印されている。なおCuleM Watchesによれば、この「C」はウェールズの伝承である「赤い竜」(Welsh dragon)の眼を意味し、世界を旅する着用者を見守る意味合いが込められているとのこと。

竜頭側面はヘリカルギア状の斜めの切り込みが入っている。これは海の波をイメージした模様とのことだ。細かい部分まで世界を旅するテーマに合わせているのは面白い。


ネジ留め式となっているケースの裏蓋もこの時計の大きな特徴だ。ネジ留め部の間部分には世界六大州の名が刻まれているのも注目。

中心部はミネラルクリスタル製のオープンバックとなっており、ムーブメントの仕上げや動き、「C」のロゴが金色に彫り込まれたコート・ド・ジュネーブ仕上げのローターが確認できる。

オープンバック周囲部分には世界の24都市名称と、その外周に各都市のGMT(グリニッジ標準時)に対する時差が印されている。それに加えて都市名の内周部には夏時間もまたBST(英国夏時間。実質的にGMTをベースに夏時間の期間+1)として印されている。これは地味に思われるかもしれないが、夏時間の存在する国の時差計算は面倒くさいこと極まりなく、筆者の住むフィンランドも含め在住者の間でも混乱を招く要素となっているので、手近なところで確認できるようになっているのはありがたい。

また、オープンバックの風防部分は完全な円では無く、GMT方向に瘤状に突出しているのも面白い。これはユニークなだけで無く、GMTの印されている位置が一目でわかるという点で意味がある意匠だと言えるだろう。

使用ムーブメントはETA 2893-2ムーブメント。21石、2万8800bps、レギュレーション機構としてETACHRONを備える。ETA 2893-2そのものはパワーリザーブが長めの約50時間であることも魅力の一つだが、CuleM Watchesの公式パワーリザーブ時間は42時間と非常に控えめな数字を発表している。

耐水性能は5ATMと雨降る中で旅するにも十分な仕様。


文字盤



The Frame GMTの文字盤にはスタイリッシュに世界地図が印され、艶のあるラッカー仕上げが施されている。6時方向外周にはスイス・メイドの証、SWISS MADEが印されている。そう、ブランドはスペイン生まれだが、この腕時計の製造は腕時計の聖地スイスで行われているのだ。


中折れリーフ型の時分針は世界の山々を象徴する存在でも有る。その他には、シンプルな秒針の他、先が赤矢印のGMT針、そして6時位置にはカレンダー窓を備える。

赤いGMT針は、前述の「赤い竜」の尻尾を象徴する要素ともなっている。よく見ればこの針先は左右非対称となっている(右側の角の短辺側が険しい傾斜)のも面白い点で、より竜の尻尾らしい点と言える、細やかなディテールだ。


1,3,6,9時が長めのバー状インデックスが各時位置に配され、その間に分インデックスと、その間を更に4分割するインデックスがプリントされている。その外周にはGMT針用の24時間表示インデックスが1から23までのアラビア数字が印されている。


ストラップ



ストラップは製品カラーに合わせたイタリア製のレザーストラップがふたつ付属する。どちらもクイックリリース式となっており、好みに合わせて付け替えることができるだろう。最近はストラップ素材が異なるものが複数本付属するキャンペーンをよく見るが、レザーストラップ好きには異なるレザーストラップが複数本付属するのは嬉しいところだ。


カラーバリエーション



The Frameのカラーバリエーションはブラック、ブルー、グレー。


また、このほかに2段構えで観音開きの豪華化粧箱「CuleMトラベル・トランク」(写真)、そしてパーソナライズされたブックレット「CuleMパスポート」がついてくる。CuleMパスポートには所有者の名前やシリアルナンバー、ブランドストーリー、製品詳細や24ヶ月保証も印されている。


まとめ



(The Frame - Blue)


コレクションは初回生産分が特別限定版となっており、ムーブメントはグレードがトップグレードのものが使用され、220本限定となっている。この初回生産分はもう部品類も揃っているため7月に発送できるとしている。特別限定版である220本は、シリアルナンバーがCuleMパスポートに記されることとなる。

価格はブルー、ブラック、グレー版がそれぞれ2499ユーロ(記事執筆時のレートで約31万円)、ゴールドプレーティング版が3299ユーロ(約41万円)となっている。なお、Kickstarterキャンペーンでは7月発送分が通常販売価格よりも30%お得になり、アーリーバードとスーパーアーリーバードとなる12月発送分が40%~50%お得に提供されることとなる。

気になる方はKickstarterキャンペーンページをご覧になると良いだろう。




Image courtesy of CuleM Watches

Source: CuleM Watches

(abcxyz)

ムーミンだけじゃない!フィンランドの古都トゥルクの時計屋さんへようこそ…ヴィンテージ腕時計やフィンランドのジュエリーが手に入るKultaViljaset

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ムーミン博物館が位置し、ムーミンワールドのあるナーンタリを訪れる際の中継地点でもあるフィンランドの古都、トゥルク(Turku)。だがここはムーミンファンだけの場所ではない。13世紀から続くフィンランド最古の都市であり、同世紀後半に建てられた城、トゥルク城が今も残る歴史溢れる都市であると同時に、多くの若い学生が集まる学問と文化の豊かな都市でもある。


Image: Grzegorz Jereczek CC BY-SA2.0

そんなトゥルクの中心には、家族経営の小さくて素敵なお店「KultaViljaset」が位置する。サービスされ2年保証の付いた貴重なヴィンテージ腕時計や、これまた貴重なフィンランドのヴィンテージ・ジュエリーに、注目のフィンランドブランドLumoava(ルモアヴァ)ジュエリーをはじめ、新品のムーミンや隣国エストニアの新興ブランドの腕時計まで購入することのできる時計屋さんなのだ。

今回はそんなKultaViljasetの魅力を皆様にご紹介しよう。フィンランドに行く機会のある方は実店舗で様々な商品を手に取り確かめて購入することができる。現地に行くのが難しい方も同店のヴィンテージ腕時計に関してはオンラインショップから日本まで発送してくれるので是非お見知りおきを。



KultaViljaset


Image courtesy of KultaViljaset

KultaViljaset(発音はクルタ・ヴィルヤセット)、またの名を「The Old School Kellokauppa KultaViljaset」(ジ・オールドスクール・ケッロカウッパ・クルタ・ヴィルヤセット)はトゥルク市街地、トゥルク鉄道駅から歩いてわずか7分の場所に位置する時計屋さん。小さいながらも店内にはジュエリーと腕時計だけでは無く、時計修理工房を備える。実はKultaViljasetは時計の修理やメンテナンスも行っており、オメガ認定の公式サービスセンターでもあるのだ。


Image courtesy of KultaViljaset

KultaViljasetを経営するTarja Viljanen(タルヤ・ヴィルヤネン)さんとPasi Viljanen(パシ・ヴィルヤネン)さん。

実店舗こそ小さいものの、お店のオーナーであるヴィルヤネンさんご夫婦は真摯にお客さんのことを考えてくれる。日本からのお客さん達にも是非来てもらいたいと考えており、お客さん達に歓迎されていると感じてもらいたいというのが彼らの願いだ。

彼らは日本語はできないが、ありがたいことに英語で接客をしてくれるので、訪れる際には学校で習った英語を思い出して自分の欲しい商品について色々と話をしてみるのもよいだろう。(日本人観光客の中によく誤解している人が居るので明記するが、フィンランドの国語はフィンランド語とスウェーデン語だ。)

また、KultaViljasetは腕時計関連のイベントを年に1,2回主催するなど、積極的に活動を行っている。



筆者のinstagramアカウントをフォローしておられる方は、今年2月にトゥルクで行われた時計イベント「Kellojen Kevät」の様子をご紹介したのを覚えておられるかもしれない。実はこのイベントもKultaViljasetが主催したものなのだ。

なお、次回は2019年8月15日に「Kellojen Yö」と題したイベントが開催予定。参加無料のイベントなので、その時期にフィンランドにお越しの時計ファンは是非訪れると様々な掘り出し物を見つけることができるだろう。


腕時計


KultaViljasetのヴィンテージ腕時計



Image courtesy of KultaViljaset

まずはKultaViljasetの販売する腕時計の中でも、一番の目玉でもあるヴィンテージ腕時計からご紹介しよう。

時計の販売だけでなく、修理も行うこともあってKultaViljasetのヴィンテージ腕時計への情熱は高い。それもあり販売するヴィンテージ腕時計は、全て丁寧にサービスされた状態で、サービスを行った時計師の名前まで記してある。しかも2年の動作保証がついているのだ。多くのヴィンテージ腕時計販売店舗は動作保証が1年もしくはそれ以下のところが多い中にあって2年の保証をつけるのは腕の自信の表れと言えるだろう。

ヴィンテージ腕時計には、新たに発売される腕時計の中には見ることの出来ない、その時代時代のスタイルが現れている。ケースのサイズや形状、インデックスの形やフォント、風防にストラップ…過ぎ去りし優雅な時代を思い起こさせる、スタイリッシュで個性的な腕時計達だ。


Image courtesy of KultaViljaset

KultaViljasetが取り扱うヴィンテージ腕時計の多くは、50~60年代のものだ。ブランドとしてはオメガのものが多いが、それ以外にもゼニスやホイヤー(タグ・ホイヤーの前身)、ティソ、セイコーにシチズンのものも扱っている。価格帯は主に400~800ユーロ(執筆時レートで約5万円~10万円)。とは言え中にはより古い1930年代のものや、より新しい2000年代のものまである。価格もより安価な100ユーロ台のものから3000ユーロを超すレアなものまで様々だ。

KultaViljasetのお店に赴けば、実際にヴィンテージ腕時計を手に取りよく吟味してから購入することができる。ヴィンテージ腕時計の在庫は全てKellotori.fiのKultaViljasetショップに掲載されている。販売があったり在庫が入ったりしたらすぐに更新されるので、掲載されている腕時計は全てその時点で実店舗に行けば見ることが出来る。

また、実際にフィンランドに行かずとも、日本に居ながらにして魅力的なヴィンテージ腕時計をオンラインで購入することもできる。オンラインでの購入方法はこの投稿の一番最後にご紹介させていただく。

エストニアの新星AEGAON



Image courtesy of KultaViljaset

KultaViljasetではヴィンテージ腕時計のみならず、シチズン、フィンランドのLeijona Kellot、そしてムーミンの腕時計など様々な新品腕時計も販売している。そのなかでも、フィンランドではここでしか手に入らないエストニアの新たなマイクロブランド「AEGAON」をご紹介しよう。

フィンランドの隣国エストニアで2012年に生まれたこの腕時計ブランドは、エストニアで初めての腕時計会社。ブランド名となっているAEGAONは、エストニア語の言い回し「aega on」からきており、これは「ごゆっくり」などといった意味(と言っても少しニュアンスが違うだろうか、英語で言えば「take your time」という意味に近いそう)。シンプルながらも独特の色合い、大柄なケース、10時/9時方向に突出した竜頭が特徴のブランドだ。



先日ラトビアの大統領ライモンツ・ヴェーヨニス(Raimonds Vējonis)がエストニアを訪れた際に、エストニアの大統領ケルスティ・カリユライド(Kersti Kaljulaid)はAEGAONの腕時計を贈呈している。

KultaViljaset店内ではもちろんエストニアまで旅する事なしにAEGAONの腕時計を手に取ることができる。


ジュエリー



Image courtesy of KultaViljaset

KultaViljasetはジュエリーもまた、貴重なヴィンテージ品と共に話題の新品も取りそろえている。

KultaViljasetのヴィンテージ・ジュエリー



Image courtesy of KultaViljaset

ヴィンテージのフィンランド・デザインのジュエリーは、腕時計と同じく50年代から60年代のもの。カレヴァラ・コル(Kalevala Koru)やラッポニア(Lapponia)などのフィンランドの有名ジュエリーブランドから、タピオ・ヴィルカラ(Tapio Wirkkala)、エリス・カウッピ(Eelis Kauppi)、アルポ・タンミ(Alpo Tammi)、エリック・グラニット(Erik Granit)ら、世界的に有名なフィンランドのジュエリーデザイナーのジュエリーがお店に並んでいる。

こちらも実店舗では手に取り確かめて購入することができる。

話題のフィンランド・ジュエリー、ルモアヴァ



Image courtesy of KultaViljaset

フィンランドのクオピオに位置する、世界最北端のジュエリーファクトリーで作られたのがルモアヴァ(Lumoava)のジュエリーだ。ルモアヴァのシルバージュエリーはフィンランドのデザイナー達によってデザインされ、卓越した職人技により造り上げられている。自然を取り入れたシンプルさと、フォーマルにもカジュアルにも合う洗練性をもつ。女性用のアクセサリーのみならず、カフスやネクタイピンなど男性用のアクセサリーも取りそろえている。


ムーミン



© Moomin Characters ™

Image courtesy of KultaViljaset

フィンランドと言ったらムーミン!トゥルクと言ったらムーミン!もちろんKultaViljasetもムーミンが大好き、お店でももちろん公式ムーミングッズを扱っている。

写真の壁掛け時計の他にも、可愛らしい目覚まし時計、腕時計、ペンダントまで。KultaViljasetで扱うムーミン製品はどれもお手頃価格なのでお土産にも良いだろう。


店舗情報


KultaViljasetの実店舗は、夏の間はこちらの通り:

月曜日~金曜日:午前10時~17時
土曜日:午前10時~14時

日曜日は閉まっているのでご注意を。

なお、2019年のスケジュールでは、夏至祭の時期である6月21日から6月24日までは店を閉めているのでこちらもご注意。


Image courtesy of KultaViljaset

実店舗でのお支払いはもちろんユーロでの現金払いも可能だが、iZettleという決済プラットフォーム(隣国スウェーデンのプラットフォームで、昨年PayPalに買収されている会社だ)を使用しており、VISA、MasterCard、アメリカンエクスプレス、更にはJCBなどのクレジットカード払いに対応している。なお、筆者の経験から言えば、欧州でJCBに対応しているところは少ないし、フィンランドでアメックスに対応するところもそう多くないので、これらのカードに対応しているのは嬉しいところ(だがKultaViljaset以外のお店で困ることもあるかもしれないので、旅行時にメインのカードとしてはVISAもしくはMasterCardを持つと良いだろう)。

なお、KultaViljasetはタックスフリーではないが、修理後のヴィンテージ品(ヴィンテージ腕時計とヴィンテージジュエリー)購入は非課税となるとのことなので、新品とは違って24%の消費税が掛からない。

新品の製品にはヴィンテージ商品と違い24%の消費税が掛かるが、なんとも嬉しいことにKultaViljasetは海外からのお客様には特別割引もしてくれるとのこと。

KultaViljasetではありきたりのお土産では無く、腕時計にせよジュエリーにせよ、日常的に使用できる旅の思い出としてお好みのものを見つけることができるだろう。特にヴィンテージ品は、なかなか市場に出てこないようなここでしか購入できないものもある。また、ヴィンテージ腕時計に限ればフィンランドに行けないという方もインターネットからフィンランドの掘り出し物を購入できるのも魅力の一つ。

フィンランドの古都トゥルクを訪れる際には是非とも寄りたい時計屋さんだ。


ヴィンテージ腕時計のオンライン購入


フィンランドで販売されているヴィンテージ腕時計を日本から注文できる、KultaViljasetのオンラインヴィンテージショップの使い方をご紹介しよう。


先に紹介したKellotori.fiのKultaViljasetショップから取り扱う商品を見てみよう。製品一覧からはブランド名と製造年代、価格がユーロで示されているほか、サムネイルには「サービス済み」を示す「Serviced」のマークが全製品に付いている。


希望商品をクリックして商品ページを見てみるとこういう表示となる。この画面からはケース径やストラップ素材、使用ムーブメントに防水性能など、より細かな製品詳細が記されているほか、様々な角度から撮影された写真も見ることが出来る。画面右手の価格の下に表示されている「Add to cart」をクリックすると…


このように画面右上に示されるショッピングカート「Shopping cart」に製品が追加されると共にショッピングカート内の製品数と合計金額が更新される。


その「Shopping cart」をクリックすれば、ご覧のような購入のための情報を入力するページに飛ぶ。


カート内の商品と、合計金額が表示されると共にその下に「①Enter your details or log in」として注文者の情報を:
First name(名前)
Last name(名字)
Street address(番地やアパート名と番号など)
Street address 2(市町村名)
Postal code(郵便番号)
City(県名)
Country(国。Japanを選択しよう)
Phone number(電話番号)
Email(メールアドレス)
Company(会社として注文する場合の社名入力欄。個人としての購入には必要ない)
VAT number(VAT番号記入欄。こちらも入力の必要は無い)
Newsletter(ニュースレターを購読するかどうかのチェックボックス。チェックすると購読、チェックを外すと購読しない)

「②Delivery method(Toimitustapa)」では配送方法を選択する。国際スピード郵送EMS、またはDHL Expressから選択可能。


「③Payment method(Maksutapa)」では支払い方法選択。ここではVISA、MasterCard、アメリカンエクスプレスの他、オンライン購入ではペイパル(PayPal)にも対応している。

「④Confirm order(Vahvista tilaus)」では取引約款に同意する場合チェックをつけて、その下のアイコンをクリックすることで注文が完了する。


Top image courtesy of KultaViljaset

(abcxyz)

Ripple CLIP: For the First Time in 130 Years, Paper Clip Has Evolved

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Sponsored by Ripple CLIP

If you have used a paper clip to hold several paper together, you might have experienced paper falling apart when turning clipped pages. However, the paper clip I have here -it's called Ripple CLIP- , is revolutionary. It has reinvented the paper clip, which was invented about 130 years ago and never evolved ever since up till now.

Today I am going to introduce you the Ripple CLIP, an innovative paper clip from Japan. It is currently on Kickstarter.



130 Years Old Problem



An image of a plain, old, sad paper clip

According to the Ripple CLIP's Kickstarter campaign, the most common paper clip we use, the Gem paper clip (shown above), was invented around 1890. It is very small, very low cost, and indeed it could hold paper. But when you try to turn clipped paper... it often fails and you end up having paper flying around you. It's not functional enough for its sole purpose of existence (how sad is it for a paper clip that was made to clip but can't do the job properly!)

Sure you can solve the problem by using a binder clip. That's true, but a binder clip is big, bulky, heavy. So you can't carry that many in a folder.

The creator of the Ripple CLIP, isn't actually a stationary designer, but a chemical engineer. Mr. Ishida, the creator, found it a problem to be solved. According to him, he doesn't have any design background, nor he wanted to hire a designer to solve this problem. It was a challenge for him, but with many ideas and prototypes later, he managed to make a paper clip that can hold paper effectively even when pages were turned.


Ripple CLIP




And here it is, the Ripple CLIP! From a quick glance, you might not find a difference between a classical paper clip. But look closely you will find that there is one extra rounded part added, and that makes a huge difference.


This seemingly simple structure is actually complicated, that Mr. Ishida has to explain the shape using the Möbius strip. Yes the Möbius strip, that two-dimensional but at the same time three-dimensional, very confusing shape.


It's made of one steel wire, with three rounded shapes, with the smallest round comes on top of other two, but this last rounded shape starts its circle from below the bottom one. And that's the "twist" that can be compared to the Möbius strip, something a normal paper clip (which is basically just a steel wire bent two-dimensionally).

This unique shape, very simple but at the same time complicated that no one in the last 130 years has came up with, makes it special.


But How Do You Use It?



The way you clip paper is also different from the outdated clips. You have to fold the corner of the paper. Yes I know some people do fold paper when using an old fashioned paper clip, hoping that it would prevent paper from falling apart. But well, with the Ripple CLIP it's a completely different story.

So you fold one corner of the paper, and clip the paper in between the bottom and the second rounded part of the clip, and then the folded bits with the second and the last rounded part.


First fold the corner...


And then...


Just...


Like...


This! Voila!


No matter how you flip the pages, paper stays!


And here is how it looks on the back side.

If my words and photographs were not clear enough, here is a video, or a continuous-photographs in a video form:



And there you go! It won't fall apart, paper is clipped together securely. No more wasting time collecting fallen paper, no more worries.


Infinite Possibilities



The coolest thing is that it doesn't end at just clipping documents together. Now that this piece of steel wire can hold paper-like things securely, it opens up possibilities for clipping many different purpose.


Like clipping something like this (it's a bag of powdered tea), or potato chips, or a bag of cookies, etc. Basically any kind of thin, fold-able thing can be securely clipped.



Here is another example. This is a very simple paper-folded pouch. Just like that, you can turn paper into something a bit more complex. By using the Ripple CLIP's function, you can combine pieces together, without using glue, and when necessary and remove when in need.

These were just some very simple examples. There are already so many people making crafty things using traditional paper clips, I'm pretty sure people will soon start making something more creative using the Ripple CLIP.


Available on Kickstarter



I have a degree in design, and I was taught that the designing is a process of problem solving. The creator of the Ripple CLIP challenged, and solved the problem so well, and found a very sophisticated answer, which resulted in a beautiful ripple-like three-dimensional shape.

The Ripple CLIP had a successful crowdfunding campaign at first in Japan, and now they are campaigning on Kickstarter to spread this innovation worldwide. They offer a pack of Ripple CLIP (which contains 5 clips) 1,150 JPY, which is approximately 11 USD, worldwide shipping included. You can chose the Ripple CLIP's color from Red (more like a wine red), and Blue. (Silver color also available on Amazon.co.jp).

Sure it cost more than an average paper clip, but can such paper clip do what a Ripple CLIP can do?

I'm sure you know the answer.




Beneath the Surface of the Ripple


Now that's the end of my review of the Ripple CLIP. But I would like to mention some of the back ground story shared by Mr. Ishida. Because, from what I have written above, you would be able to know how useful and innovative the product is, but to achieve that result, it really needed passion and effort you can't see from the product itself and its review.

Mr. Ishida told me that this journey were possible because of his experience as a chemical engineer. He said that the job of a chemical engineer is to create an industrial passage where a raw material becomes a product. According to him, what was required for a chemical engineer in the past was focused more on the factory optimization. But this has changed, as new materials and new technologies appear into the world, and different industries are working together to make new innovations. So now he sees that a chemical engineer is required to create new values from combining different technologies.

Although he is an experienced chemical engineer, the journey to make the Ripple CLIP into a product must have been a long way. As a designer, I understand the countless trials and errors Mr. Ishida must have gone through until coming up with the final design, and it's a long painstaking process. But that wasn't the end of the process. He had to find a manufacturer that can make a clip that has a Möbius strip-like structure. And it's not even a normal shape of a metal spring neither, so not something a normal factory could do. Also the colors of the Ripple CLIP, which is not plated, but colors achieved by a Japanese factory that has the world's top level of chemically processed color control.

The most required attribute of a chemical engineer he thinks is to "keep watching the progress of mankind, and keep learning shallowly but a lot". I guess, without having such attribute the Ripple CLIP was never made.


Source: Ripple CLIP, Kickstarter

(abcxyz)

いつでもどこでもどんなとこでも。世界初、ポータブルワイヤレス超音波洗浄機OmiSonic

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Sponsored by OmiSonic

最近なにかとクラウドファンディングを賑わすポータブル超音波洗浄機。旅行に行く際などにとても便利ではあるが、手近に電源が無ければ使用できない、本体から伸びたケーブルにより洗う際に位置がずれたりするなどと言った問題があった。

今回ご紹介するのは、「世界初のワイヤレス超音波洗浄機」を謳うOmiSonic。この小型超音波洗浄機をワイヤレスにすることでその問題を解決した。現在Kickstarterでキャンペーン中のOmiSonicは、既に目標金額の900%以上を達成している。



OmiSonic




まずはプロモーション動画をご覧になればその利便性が一目でわかるだろう。

ヘンリー・パーセルによるオペラ『King Arthur』(Z. 628)第三幕より「What power art thou」(クラウス・ノミの「Cold Song」として知る方もおられるかもしれない)がドラマチックに流れる中、止められない悲劇が起こる…。

だがそんな悲劇もOmiSonicがあればすぐに解決。コードレスなので電源を探す必要も無く、水を張れる場所さえあればそこが洗い場と化す。

超音波により水中の圧力差で細かな気泡(マイクロバブル)を生み出し、この泡が洗浄物にぶつかることで泡は破裂する。これをキャビテーションと呼ぶのだが、これに伴って物体の汚れが離れる。これが一般的な超音波洗浄の仕組みだ。


そんな超音波により強力に染みを落とすことができる上、手洗いよりも優しいため、デリケートな服を洗うにも適している。フルーツだって野菜だって洗えて残留殺虫剤を落とし、ジュエリーも、赤ちゃん用品だって洗え、殺菌することができる(ここら辺は後述している)。

更にこのような小物/少量の洗濯では、洗濯機と比べて使用する水量は15分の1で、エネルギー使用量に至っては40分の1。環境にも優しいのだ。


しかもスマホと連携して使うスマート仕様。本体に水温センサーも付いており、洗い物に対して水の温度が高すぎればスマホで通知してくれるし、洗い物の素材と重さを入力すれば自動的に最適な洗剤(ペーパーソープ)の量と洗浄時間を選んでくれる。

バッテリーを内蔵するものの、本体はワイヤレスであるため、本体重量は僅か80gと、他のポータブル超音波洗浄機よりも軽いことも魅力。


衣類にも



コットン、シルク、ウール、ポリエステル、ナイロン、スパンデックスなどなど、縮んだり、生地を傷めたり、色落ちさせたりすることなく洗浄可能。超音波洗浄であるためワイン、泥、口紅、オイル、汗、血に至るまで、様々な原因の染みを取ることができるとしている。(血に関してはなるべく付着した直後の方が効果が高いとのこと)


野菜や果物にも



野菜果物の洗浄にも超音波洗浄機は有効だ。表面に付着した泥汚れを落とすだけで無く、残留殺虫剤を落とすのにも有効だ。

Lozowickaらの研究(doi: 10.1007/s10661-015-4850-6)によれば、イチゴについた16種類の殺虫剤を、水道水洗浄、イオン水洗浄、煮沸洗浄、超音波洗浄で比較しているが(なお洗浄時間は1分、2分、5分で行われている)、超音波洗浄は16種全ての残留殺虫剤を最大91.2%下げることができたとしている。煮沸洗浄もほとんどの在留殺虫剤を42.8%から92.9%下げる下げることができており、この実験下では超音波洗浄と煮沸洗浄が最も効果的だと記している。

煮沸洗浄も残留殺虫剤を取り除く手段としてありとのことではあるが、サラダとして食べたいものを茹でてしまっては元も子もない。そんな状況ではやはり超音波洗浄機が便利というわけ。


バクテリアが気になる品々も



OmiSonicはバクテリアや微生物も30秒以上の超音波洗浄で殺すことができるとしている。そのため、赤ちゃん用の品々、例えば哺乳瓶や玩具、おまるのしつけ用パンツなどの洗浄にも適している。他にも歯ブラシ、髭剃り、メイク用のブラシなどの、汚れ以外にも細菌の付着が気になるものの洗浄も提案されている。


貴重なジュエリーも、洗いづらい物だって



眼鏡屋さんや宝石屋さんで無料の超音波洗浄サービスを受けることもできるかもしれないが、自分で洗えるのはやはり嬉しいもの。メガネやサングラスは当然のこと、金、銀、銅、プラチナ、ステンレスなどの素材でできたジュエリーや宝石、腕時計だって洗える。

バックパック、買い物袋、靴(レザー以外のもの)、更にはスマホケースなどの日用品の細かな部位に溜まった汚れを洗い落とすにも超音波洗浄機は持って来い。


ワイヤレス



そんな素晴らしい洗浄機能を持つ超音波洗浄機に、ポータブル式のものがこれまでに存在しなかったわけでは無い。だがOmiSonicの最も大きな利点はワイヤレスであること。

洗っている間に電源ケーブルのせいで本体が落下したりすることもないし、キャンプ先など電源が確保しづらい場所での利用にも適す。

2400mAhのバッテリーを本体に搭載しており、フル充電に掛かる時間は2時間。付属するクレードルに置いての接触式充電となる。クレードルへはMicro USBケーブルを挿す仕様。なお、Qiなどの非接触式の充電としていない理由は、Qiは充電時間が長く掛かるためだと回答している。


「ワイヤレスといっても充電器を別に持ち運ばなくてはいけないのでは面倒だ」と考える方もおられるはずだ。だが一度の充電で4回分の洗浄ができるとのことなので、小旅行には十二分だろう。この計算は、0.5kgの洗浄物を30分洗浄することを1回として、これを4回、計120分のデバイス使用と考えて算出されたもの。もっと短い量や時間での洗浄であれば4回と言わずもっと使えそうである。

トラベルパックリワードを選択すればキャリングケース(充電クレードルも中にしまい込める)とペーパーソープも付属する。


まとめ



これから超音波洗浄機を購入しようと思っていた人にもうってつけだろうし、旅行先に洗濯をしたいが電源が確保しづらい環境に居る人、キャンプなど屋外で活動する際に道具や食べ物を洗いたい人などにも便利だろう。

キャンペーンは約140万円以上の目標金額を開始わずか6時間で達成。キャンペーン終了まで17日を残し目標金額の900%を超す1200万円以上の資金を集めている。なおストレッチゴールとしては16.5万ドル以上の金額が集まれば、バッテリーを2400mAhから3000mAhにアップグレードするとのこと(これにより5回の洗濯が可能になることになる)。

OmiSonicは一般販売予定価格が239米ドル(記事執筆時レートで約2万6000円)となっているが、Kickstarterキャンペーンのリワードとしては記事執筆時点でも未だこれより40%以上お得に手に入れることができる(もちろんクラウドファンディングキャンペーンの常としてこれはショップとは違うリスクが伴うということは念を押さねばならないが)スーパーアーリーバードリワードが残っている。

気になる方はOmiSonicのKickstarterキャンペーンページを訪れてみると良いだろう。




Image courtesy of OmiSonic

Source: Kickstarter

(abcxyz)

自動巻きで多機能、しかも手頃な価格のトゥールビヨン腕時計。Viginti Octo「VO Tourbillon」ファンディング中

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Sponsored by Viginti Octo

機械式腕時計の楽しさを極めた複雑機構トゥールビヨンムーブメント。今回ご紹介する香港Viginti Octoの「VO Tourbillon」はそんなトゥールビヨンを採用した腕時計。最近は手頃な価格のものも増えてきたが、VO Tourbillonはそんな中でも機能が豊富であることが売りとなっている。

現在Kickstarterでキャンペーン中のVO Tourbillonを以下でご紹介していこう。



Viginti Octo



香港をベースに活躍するViginti Octoは、高品質の腕時計を手頃な価格で提供することを目指すマイクロブランド。

2017年から積極的にKickstarterキャンペーンを打ち出してきている。同社のキャンペーンの中には失敗しているものも2つあるが、資金調達に成功しているのも同じく2キャンペーンある。一つはデュアル・テンプにムーンフェイズという複雑機構を持ちながら小売価格745ドルのVO LUNAというもの、そしてもう一つが今回のVO Tourbillonである。


記事執筆時のVO Tourbillonの支援者の8割近くがリピートバッカーであることを考えると、同ブランドのファンが求めているのは複雑な機構を備えた手頃な価格の腕時計と言うことだろう。さて、そんなVO Tourbillonは一体どんな腕時計なのか、以下で詳しく見ていこう。


VO Tourbillon




この腕時計の最も大きな特徴は、その名の通りトゥールビヨン機構を備えていること。

トゥールビヨンは、フランス人時計師アブラアム=ルイ・ブレゲが1800年頃発明したとされる機構で、元々は時計の脱進機が回転することで重力による影響を減らそうと作られた。詳しくはERA Prometheusのレビューをお読み戴ければと思うが、この機構を持った時計は2000年代に入るまでは数千万円のものしか存在しなかったということは、現在のトゥールビヨン腕時計を語る上では欠かせない基礎知識。


実はこのトゥールビヨンという機構を用いた腕時計は最近頻繁に、とは言わないまでも時折クラウドファンディングウェブサイトなどで目にすることがある。安価なトゥールビヨンを目指したそれらの多くは、その目標を実現しているのは、主に中国のメーカーの作るトゥールビヨンムーブメントのお陰だ。安価なトゥールビヨンムーブメントを作る会社にはSeagull、Hangzhou、Shanghai、Peacockなどがあるが、Nicolas & Manfredによれば中でもPeacockのものはローター、ベアリング、ゼンマイ部などが上手く作られ信頼性が高いとされる。


VO Tourbillonで使用されているのはそのPeacock社の自動巻きムーブメント、「Peacock 5216」。美しいコーアクシャル・トゥールビヨン機構の他に、カレンダー機構、サン&ムーンダイヤル付きの24時間GMTスモールハンド、そしてパワーリザーブを備える。クラウドファンディングウェブサイトでトゥールビヨンを採用する腕時計の中でも、ここまで機能が豊富なものは少なくとも私が知る中では初めてだ。

ムーブメントに関してもう少し詳しく記すと、27石、振動数は2万8800vphで、パワーリザーブはたっぷり余裕のある58時間となっている。


ケース



316Lステンレススチール製、手仕上げの艶出しが美しいケースは、ぱっと見シンプルな形状であるが、よく見ればケーストップのベゼルに当たる位置は6箇所でネジ留めされている意匠が施されている。この部分は少々無骨な雰囲気を醸し出しているが、文字盤内の要素もフォーマルさよりも計器的な美しさが強調される物となっているため違和感は無い。


風防は特製のサファイアクリスタルとのこと。ケース径は44mm、厚みは14mmとなっている。

比較のために他のトゥールビヨン腕時計のケースの大きさも示すと、Peacock 5212を使用するWaldhoffのThe Ultramatic(VO Tourbillonの5216と比較すればカレンダー機構が無い)はケース径42.5mmで厚さ13.8mm。ERA TimepiecesのERA Prometheus(手巻き式でパワーリザーブ表示とカレンダー機構はない)は径が44mmで厚さ12.72mmとなっている。この事からもトゥールビヨンかつ、豊富な機能を持ちながらケース径と厚みは抑えられていると言えよう。


ケース側面は「Tourbillon」の文字が浮き出した横に、日付送りのボタン。プッシュ式の日付送りは好みが分かれるところかもしれないが、竜頭の段階的な押し込み/引き出しが苦手な人にとっては嬉しいだろう。また、同じプッシュ式でも突出しているボタンでは間違って押されてしまうこともあるが、この押し込みタイプであればそのような事故も起こらない。


ネジ留め式の裏面はシースルーとなっており内部構造が除き見えるようになっている。Viginti Octoのロゴ入りのオリジナルルーターはスケルトン状となっているためより内部の動きが楽しめるようになっているのも嬉しいポイント。

裏面外周にはブランド名やモデル名、耐水性能10ATMの表記などの他、全ての腕時計にシリアルナンバーが刻印されている。


ケース色は「ローズゴールドケース+ホワイトダイヤル」(トップ画像)、「シルバーケース+ブラックダイヤル」と、クラウドファンディング限定エディションとして「シルバーケース+ブラック&ゴールドダイヤル」(上の写真)が用意されている。個人的にはローズゴールドケース+ホワイトダイヤルが品があって好きだ。


文字盤


インデックスは12時、4時、8時部分にアラビア数字が存在し、トゥールビヨン要素のある5,6,7時部分を除く他の部分には、くさび状の傾斜のついたバーインデックスが配されている。6時インデックスはトゥールビヨンの中心部をその代わりと認識しても良いだろうし、5時と7時の部分にはトゥールビヨン開口部の縁取りを留めるネジの意匠があり、これらもそれらのインデックスの替わりとなると言っても良いだろう。


時分針はクラシカルなアルファ針。付け根は絞られているが、文字盤中心に近い部分は幅広く、切っ先に行くに従い鋭くなっている。また時分針は長さ方向に山折りになっているので、平らな針と比べ様々な方向からの光を反射しやすくなっており、可視性を高めている。

12時位置にはパワーリザーブインジケーター。自動車のガスメーターに似てEmptyの「E」と、Fullの「F」のアルファベット表記があり、その内側に8つの目盛りがある。「E」が赤いのも自動車のガスメーターのようだ。針は矢印形で赤く、矢尻が白となっている。

3時位置に24時間表示のGMT針と、その背景にサン&ムーンダイヤル。こちらも針はパワーリザーブインジケーターと同様に矢印形で赤く、矢尻が白いものとなっている。


文字盤6時に位置するのが目玉のトゥールビヨン。60秒で一回転するのでこれが秒針の役割も兼ねる。Peacockのトゥールビヨンムーブメントはテン輪にチラネジ(金色の輪に刺さっているネジで、精度調整や装飾に用いられる)があることや、カーブを多用したキャリッジ(トゥールビヨンの回転する籠部分)などにより、トゥールビヨン機構を美しく「魅せる」ムーブメントとなっている。


そして9時位置には「刺又」もしくは「月牙鏟」状の針が指し示す日付表示。日付表示部分は、立体的な部品となっており、円となる部分にアラビア数字とドットが交互に並び日付を表している。この部品は円の内周が水平線により繋がり、まるで自動車のハンドルのような形を成している。円内側の水平線の上下の空間には、上にブランド名「Viginti Octo」、下にトゥールビヨン「Tourbillon」と筆記体で印されている。

文字盤外周にはダイヤルリングが備わっている。ダイヤルリングは黒地に白で各分の印しと、5分おきにアラビア数字の表記、そして12時位置には下向きの赤い三角が印されている。


ストラップ



付属ストラップは22mm、黒色で、イタリア製の牛本革に鰐皮風の竹斑が型押しされたもの。クイックリリース式となっているので簡単に取り替え可能だ。

バックルはバタフライバックルとなっており、「VO」と会社の頭文字が刻印されている。緻密な構造のトゥールビヨン腕時計名だけに、着脱時に時計が落ちづらいバタフライバックルであるのは嬉しい。


なおキャンペーン出資者がソーシャルメディア上でキャンペーンをシェアすると無料でブラウン色のストラップが貰えるというお得な特典も行っている。


まとめ



VO Tourbillon、一般販売予定価格は2350米ドル(執筆時レートで約26万円)だが、Kickstarterキャンペーンでは、約18万円で提供されている(記事執筆時点では未だ16.6万円のアーリーバードリワードも残っている)。

懐中時計に対する重力の影響を少なくするという、精度への追求から生まれたトゥールビヨン。今では精度を安価に実現したクオーツという存在に対して精度と値段では太刀打ちできなくなってはしまったが、この優れた発明は機械式腕時計の魅力を魅せつけるという面では、今なおそんじょそこらのオープンハート腕時計が霞んでみえる存在であることは変わりない。

人類の英知が詰まったトゥールビヨン腕時計という存在が安価に楽しめるという点で、VO Tourbillonのような存在は腕時計離れが進む現代に無くてはならないと私は思う。もちろん読者の中には、安いトゥールビヨンムーブメントを見下す方もおられるだろう。だがもし品質の面でより高級で数千万円もするトゥールビヨンが優れていたとしても、それが実際に身近に人の手首に身につけられなければその魅力が伝播されないし、価格が高ければそれだけ身につけることの出来る人が限られる。安価に買えるようになったことでトゥールビヨンムーブメントの価値が下がると考える人もおられるかもしれないが、もしそうであればそもそもどれほどの価値があったのだろうか?それに、クオーツムーブメントにも性能差があるように、一概にトゥールビヨンと言っても性能差や素材、そしてブランドにより値段と品質の差があるのは当然の事実であり、その点で言えば安価な物はトゥールビヨンの入門機的な一本としての価値もある。

更にVO TourbillonはPeacock 5216をムーブメントに採用したことで、安価なトゥールビヨン腕時計の中では私が知る限り機能が最も豊富であるということもポイントだ。


保証は腕時計としても長め、手頃な価格のトゥールビヨンとしても長い3年となっているのは安心できる。なおViginti Octoは、過去2年間で修理に出された同社の腕時計は僅か2本で、修理と発送に掛かった期間は1ヶ月以内だと語っている。

今年6月にはもう生産に入る予定で、11月から発送予定。興味深い点として、2020年1月までに腕時計を受け取ることができなかった場合そのバッカーには100%返金するとの約束もしている。

VO Tourbillonキャンペーンは締め切りまで24日を残し、既に目標金額の180%を超える18万香港ドル(執筆時レートで約250万円)を集めている。




Image courtesy of Viginti Octo

Source: Kickstarter

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玉石混淆の腕時計の世界の宝地図、SOMA。6月のローンチに豪華ブランド続々

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ディスクロージャー:筆者はSOMAの「ウォッチ・コミュニティー向けテクノロジー・ソリューションのアンバサダー」に任命されており、この記事はSOMAのために執筆したものである。

世界に星の数ほどある腕時計ブランド。玉石混淆のこの世界で、隠れた宝玉を見つけ出すのは簡単なことでは無い。そんな世界にあって、ソーシャル・マーケットプレイスSOMAは宝地図とも言える存在になるかもしれない。


隠れた宝石を探して



素晴らしい腕時計ブランドを見つけることは、時として難しい。大手の腕時計メディアが注目するのは有名ブランドばかりだし、素晴らしいブランドが優れた広報をしているとは限らないからだ。

特に若いマイクロブランドの中には広報に予算を割けないところも多いし、高品質のアルチザン腕時計を作るブランドの中には広報よりも時計作りにフォーカスしているために限られた人にしか知られていないものも多い。

しかもせっかく素敵な腕時計を見つけても、小規模なブランドの中には容易に購入できる手段が用意されておらず、購入するのが難しいものも少なくない。小売店を使用せず顧客との直接取引でしか販売していないブランドのように、購入経路が限定されるところの中には、買おうにもこちらから一から交渉しないといけないブランドなどもあったりする。


SOMAはソーシャルプラットフォーム性を兼ね備えたマーケットプレイスを作ることでこのような問題を解決し、腕時計ファンがお宝を見つけることを容易にするのだ。そしてコホート1向けのローンチが6月に迫るSOMAには、続々と魅力的なブランドが集まってきている。

そんな売り口上はどれだけ言っても、実際にどんな「お宝」が見つかるのか解らないのでは魅力も伝わらないことであろう。以下にSOMA無しでは見つけることも購入することも難しい魅力の腕時計ブランドを具体的にみていこう。


Skill



独立時計師Olivier Mory氏のマニュファクチュール・ブランドSkillなどはまさに優れたアルチザン腕時計ブランドの好例だろう。Mory氏はオーデマ・ピゲ、パテック・フィリップなどの超有名高級腕時計ブランドで働いたこともある人物だが、高級ブランドなどの提供する価格よりも安価に自らイン・ハウスでトゥールビヨン・ムーブメントを作り、提供できると考えてこのブランドを作るに至った。そんなSkillの自社製トゥールビヨン・ムーブメントを搭載した腕時計はわずか7500ユーロ(記事執筆時レートで約93万円)と、イン・ハウスのトゥールビヨンとしては破格の値段だ。

この価格を高価に思われる方もおられるかもしれないが、これは安価でシンプルな量産時計とは大きく違う。まずイン・ハウス・ムーブメントとは自社製ムーブメントのことを指す。多くの腕時計ブランドは高級ブランドのものも含め、時計内部に使用するムーブメント部を他社製のものに頼っている。イン・ハウスのムーブメントとはこの内部のムーブメントも自社で作ったものであり、そもそも自社で機械式ムーブメントを作れるブランドは少ない。更にはムーブメントを他社に提供する専門の会社などもあるので、自社一貫生産(これを「マニュファクチュール」と言う)を行う会社は希なのだ。


マニュファクチュールブランドというだけでも十分腕時計の価格を押し上げるし、他のブランドに属さない独立時計師のマニュファクチュールとなれば数百万円以上するものがほとんどだ。その上、トゥールビヨン(Tourbillon)という時計の脱進機が回転する複雑機構も備えているのである。トゥールビヨンはその製造の難しさから非常に高価で、腕のある時計職人しか作ることができず、暫く前までトゥールビヨン機構を備えた腕時計は価格も1000万円は下らなかった。

Skillの腕時計は魅力でも、流石にトゥールビヨンは手が出ないという方は、Skillの自動巻き機械式腕時計が良いかもしれない。価格は4000ユーロ(約49万円)とこちらもマニュファクチュール腕時計としては悪くない価格。しかも、Skillの自動巻き腕時計を購入した後に同ブランドのトゥールビヨン腕時計が購入したくなった場合は安価にトゥールビヨン腕時計と交換してくれるプログラムまである。7500ユーロから4000ユーロを引いた差額の3500ユーロ(約43万円)を払うことで交換かと思いきや、Skillの自動巻き腕時計を返却すると共にトゥールビヨンとの差額の僅か半分の価格、1750ユーロ(約22万円)を支払うだけで手に入れることができるという、こちらも破格のオファーだ。


また、スイス時計協会は2017年より、「腕時計におけるSwissの名称の使用を規制する法令」を改正し、時計の製造コストの60%以上に当たる部分がスイスで造られねば「Swiss Made」と呼ぶことはできないという厳しいものにしているが、Skillの腕時計はスイス・メイドであることは当然ながら、なんとその割合は100%。100%スイス・メイド、正真正銘のスイス時計だ。

ブランドとしてのSkillは他にも優れている点がある。修理保証だ。もちろん修理保証はラグジュアリー腕時計には良くあるサービス。だが、多くのブランドがこのような保証を行うのは2,3年、長くても5年か10年がいいところ。一方のSkillは、自社の全ての腕時計に一生涯保障付きという、他では考えられないようなサービスもついているのだ。Skillの腕時計に何らかの問題があり、顧客がSkillに連絡すると、木箱が手元に送られる。木箱に入れてSkillの工房へと送られた腕時計は丁寧に修理された後に送り返される。


この革新的なブランドは設立当初から一貫して、素晴らしい腕時計を造り上げ、それを手頃な価格で提供し、生涯補償するという姿勢を貫いてきた。しかしこのSkillには今変わろうとしている部分がある。これまでSkillは顧客と直接のやりとり以外では製品を販売していなかった。スイスを訪れ、Mory氏(上写真)に会うこと無しにこの素晴らしいブランドの時計を手に入れる術は無かったのだ。そしてこれがSkillが変化する部分。

そして直接取引以外でのSkillの腕時計の販売が始めて行われるのがSOMAマーケットプレイスだ。このような高度な技術を持ちながら人知れず存在していたブランドに注目を与えることができ、隠れた宝玉に光を与えることができるのがSOMAなのだ。

しかもSOMAソーシャル・マーケットプレイスのコホート1ローンチに合わせ、Skillはシリアルナンバー入り100本限定トゥールビヨン腕時計を提供する。ただ販売するだけのマーケットプレイスだけに留まらない腕時計ブランドのと提携もSOMAの目指すところだ。


ErridiBi



ErridiBiは、山や湖に囲まれた絶好のリゾート地でもある、イタリアはブリアンツァの独立腕時計ブランド。

実はこのブランドはデザイナーFranco Viganò氏により20年前に設立されたブランド。2017年からは工業部品を用いたダブルケースの特許を持つViganò氏に加え、Guido Virginio Villa氏を新たにパートナーとして迎え入れ、ようやくSOMAにて華々しいカムバックを迎えることとなる。


同社の腕時計は少量限定生産しかしていない上、細かくカスタマイズ可能であることが特徴だ。例えばケースサイズは2種、M24(36 x 50 mm)とM27((41 x 53 mm)があるが、9つのパーツから成るケースの材質はアルミニウム青銅、グレード5チタニウム、超々ジュラルミン(「A7075」とも、住友金属工業が開発し零戦などにも使用されたアルミニウム合金)、貴金属などで構成。表面の仕上げやダイヤルも思いのままだし、レーザー刻印、ストラップのスティッチに至るまで細かにパーソナライズできるのだ。


そしてErridiBiはSOMAのコホート1ローンチに合わせ、特別割引と共に限定エディションの腕時計も提供してくれる。限定エディションとなるM24は、26 x 50mmのアルミニウム青銅C63000(航空機などに使われる)製ボディーにハンドメイドのRdBダイヤル、金のインデックス、金のダフネ針、6時部分にSOMAのロゴ入り、ケースバックはグレード5チタニウム製で底にもSOMAのロゴが刻印されている。


他にも続々魅力の時計ブランド



SOMAを一般に先駆けて体験できる限定グループ、コホート1に向けて特別な特典を用意してくれているところとしては他に、Havaan Tuvali(Bluefin Dive Watch限定1本半額)、Mint Evolutive(上写真のIntelligencerを始め、Divemaster、Defenderシリーズが20%オフ)、Viqueria(Levante47%オフ)、Tockr(Air Defender20%オフ)、Outcast Watches(Series 1限定1本75%オフ)なども存在する。


これらの他にもSOMAでは、世界各国の腕時計ブランドから、多種多様なスタイルの腕時計が購入できるようになる。独立時計ブランドではFernando Ronzon(上写真)などもSOMAに参加してくれている。独立系も素晴らしいがより手頃でユニークなものを探しているという方にはPedralLagomのような北欧デザインのシンプルでお洒落なもの、洗練された個性を持つSartory-BillardWessex Watches、力強さ溢れるRVLVRAdvisorなど、SOMAではきっとあなたのお気に入りのスタイルの腕時計を見つけることができるはずだ。


乗り遅れるな、コホート1



腕時計ファンには見逃せないブランドが発掘できるSOMAの魅力をご紹介してきたが、その先行体験が可能な限定グループ「コホート1」が6月に満を持してローンチする。これはただの先行体験だけでなく、今回の記事で述べてきたように、特別な割引や限定版腕時計モデルが用意される豪華な限定グループだ。

コホート1のメンバー数は100人に限定されている。100人以上の応募があった場合抽選となるが、まずは応募してみなければその豪華特典の恩恵に授かることも無い。興味のある方はこちらのフォームから申し込み戴けるようになっている。

ローンチ開始は当初の予定からすこし遅れることとなったが、ローンチに向けた準備は着々と進んでおり、去る4月にはフィンランド雇用経済省の一部門であるBusiness Finlandから2度目のビジネス助成金を受けている。この助成金の話も少ししておくと、昨年8月に受けたラウンド1助成金が5万ユーロ。このラウンド助成金と共に課された目標を全て達成したことにより、この度第2ラウンドの助成金として110万ユーロの助成金が達成されたのだ。シリーズAラウンドは2020年春に行われる予定となっている。

なおコホート1の終了後には次なるベータテスト「コホート2」が行われることになっている。このコホート2では参加者が大きく増えて、500人がそのメンバーとして選ばれることとなる。その後一般向けにローンチする事になるSOMAプラットフォーム、一般向けのローンチは8月予定となっている。

Source: SOMA

(abcxyz)

現代のソニックスクリュードライバー?スタイリッシュな電動ドライバーWowstick Mini

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今回レビューするのは便利な小型電動ドライバーWowstick社のWowstick Mini。

イギリスのSFテレビシリーズ『ドクター・フー』にはソニックスクリュードライバーという(ストーリーを進ませるためなら)ほぼ何にでも使える便利な道具が出てくる。流石にそこまで万能では無いし、ソニックでも無いが、今回ご紹介する電動スクリュードライバーは、同じく自動で回るし光るし格好いい。しかもマーカーほどの小ささで、僅か50gの重さ。バッテリーは6時間で回転数は200RPMだ。



なおレビューするのはKickstarterキャンペーンに出資したリワードとなる。



開封



パッケージが小さくて驚く。


パッケージには日本語での情報も記されている。


付属品の箱も凝っていて「I'm~」と内容物が記されていて可愛い。


「Warning: Please stay away from infants.」(警告:幼児に近づかないでください)は誤翻訳か内容物の擬人化故かは不明。

後で写真も出てくるけど、USB-A>USB-Cケーブルも付属。


美しい本体。S2アルミニウムアロイ製。


同色のスタンド。


Wowstick Miniの替えヘッドは56種類存在するが、私の頼んだのは20ヘッドがついた「Wowstick Mini SD/スタンダード」版。あんまり沢山ヘッドがあっても使わなさそうだし。

一応KickstarterFAQページを参考に20のビットを記すと:
PH000 PH0 PH2 SL1.0 SL2.0 SL3.0 T5 T6 T8 P2 P5 P6 H2.5 H3.0 S0 Δ3.0 Y0.6 Y2.5 U3.0 0.8(Needle)

56ビット版は:
PH0000 PH000 PH00 PH0 PH1 PH2 SL1.0 SL1.5 SL2.0 SL2.5 SL3.0 SL3.5 SL4.0 H0.7 H0.9 H1.3 H1.5 H2.0 H2.5 H3.0 H4.0 T2 T3 T4 T5 T6 T7 T8 T9 T10 T15 T20 P2 P5 P6 Y0.6 Y1 Y2.0 Y2.5 Y3.0 S0 S1 S2 ▲2.0 ▲2.3 ▲2.5 ▲3.0 U2.0 U2.6 U3.0 0.8 W1.5 PH0(45mm) PH2(45mm) SL2.0(45mm) H2.0(45mm)

なおPro Combo版には56のビットの他、磁石で閉じることのできる専用ケースやヘッドスタンド、帯磁パッドなどもつく。


本体



本体径はたったの16mm。重さ僅かに50g。ダークグレーの本体にはリチウム電池が入っており、連続6時間使用が可能だという。使うときはこうして先を外す。


なお外したキャップは本体のお尻部分にとりつけることができるのでなくす心配は無い。


こういう風にスタンドに立てることができる。スタンドが本体とマッチして美しい。なのでシャレオツなデスクにもピッタリだと宣伝されている。あと、ペン部分はフィジェットにも使えるとも宣伝されているが。


使い方



ビットはマグネットで先端に固定される。


上のボタンを押せば、押している間だけLEDが点灯すると共に先端が時計回りに動く。


下のボタンを押せば、やはり押している間だけLEDが点灯すると共に先端が反時計代わりに回転する。回転スピードは200RPM。使い方はそれだけ。至ってシンプル。なので保証書はついてくるが説明書はついてこない。

一応電動での回転だけで無く、手動ドライバーとして使うことも可能(電動で回さないときにヘッドだけ回転することがない)。また、手動+電動を同時に使う「デュアルパワー」という使い方もできると宣伝されている。

では早速…


GPD Pocketだって…


Dieselの腕時計だって…


Palm M505だって…


HTC Cha Chaだって…

いけちゃいました。


電動でいけなかったのはこちらの収納の蝶番部分。でも手で回したらいけた。まああまり大きなものには向いていないということだな。手で回して緩くなったら電動で回せるので問題無いし、ずっと手回しよりは楽だ。


充電は底にあるUSB-Cポートから。Kickstarterキャンペーンでは当初Wowstick Miniの充電はMicro USBから行うとしていたが、十分な資金が集まったことで全ての出資者分がUSB-Cへとアップグレードされた。


20ビットケースがダサいので無理矢理スタンドに突っ込んでみた。ペンはどのみち自立するし。あんまり美しくない。かといってPro Comboについてくる白いケースも本体とマッチしてないから欲しくなかったんだよね。


まとめ



本体とスタンド、そしてパッケージも綺麗にまとめているのに、ビットの入れ物だけそぐわないのが少し残念だが、それ以外は満足。これまで試しに捻ってみたネジの数々は、件の蝶番を除き結構力強く回してくれたので、道具として満足。それに、手でも普通に回すことができるし、電動で回転させながら手で回すのもアリというのもよい。手で回して緩くなれば電動で回してくれるし。

特に小物/ガジェットを作ったり直したり調整したりする必要のある人には便利だろう。

そして本体とスタンドの美しさも満足だ。特に本体はスクリューレスとなっており、格好いい。

同じものじゃ無くて良いから似たようなのが欲しいな、という方はAmazonで類似品が販売されている。



どうやらそれら類似品(どれが本家かは知らないが)がどれも商品名に「Wowstick」とつけていることからすれば、「ペン型電動ドライバー=Wowstick」という呼び名が既に確立されているようだ。一応KickstarterページFAQでは「WOWSTICK is our registered brand and we partnered with XIaomi to launch our previous products online. This generation of WOWSTICK on kickstarter is our brand new version.」と書いてあるので、一応Wowstickは登録されているブランド名であり、Xiaomiブランドで販売されていたWowstickはこれの古い版とのこと。

どうしてもWowstick Miniが欲しいと言う方はIndiegogoのINDEMANDでオーダーできるようだ。


Source: Kickstarter

(abcxyz)

このスタイルにはぐっとくる方も多いはず。伝説の名剣にインスパイアされたValimor「Caliburnus」

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Sponsored post / Authored by Yu Ando

今回は香港Valimorの「Caliburnus」のレビューをお届けしよう。

Valimorは伝統的な要素や古風な要素を最新技術と組み合わせて調和させ、「戦士のような強さを身につけ、人生という戦を成功に導くために必要な自信を与えるものを作りたい」、というブランドフィロソフィーを持つ。



そんな同社のCaliburnusはアーサー王伝説と、伝説中に登場する石に刺さった剣、エクスカリバーにインスパイアされた腕時計である。なお「Caliburnus」はアーサー王の持つ剣、「エクスカリバー(Excalibur)」のラテン語表記/ラテン語化された名前だ。

魅力:
・各所に配された鱗模様
・細やかな加工のなされた針
・天然石の文字盤
・スワロフスキークリスタルが埋め込まれたユニークな竜頭
・美しいローター
・型押しとは思えない質感のストラップ
・装飾の美しいバックル
・これらの特徴を上手く統一した全体感

残念:
・裏面を斜めから除くと見えるムーブメントホルダー

価格:
5~6万円



開封



縦方向に長い直方体の化粧箱。その表面はどの面にもブランドシンボルである鱗模様が立体的につけられている。


上の面には金色の縁取りとロゴが。


中を開けてまず驚くのはこちら。まるでレザーの財布かのようだが…。


実はこれは保証書と説明書が入った合皮のケースだ。ここにも金色でロゴが印してある。もちろん財布/カードホルダーとして使ったって良いだろう。


その下に入っているのがCaliburnusの封入された容器。プラスチック製で、天面は透明。蓋の縁部分にはシンボルの鱗模様があり、透明な天面には社名とロゴが立体的にあしらわれている。


なお写真では天面から中の腕時計が覗いているが、パッケージを開けた当初は傷がつかないように腕時計と透明の窓部分の間にはスポンジが挟まれている。そして中に入っているのがCaliburnus、Non-Date*のBlack Galaxy版となる。(*日付窓がついているバージョンもある)


ストラップのバックル部分には、ブランドものの衣類やアクセサリーで見かけるような「下げ札」のようなもの(不勉強な物で日本語で何というのか的確な言葉を見つけられないが、英語だとhang tag sealなどと呼ばれるもの)がついている。プラスチック製のようだが、黒地に金の縁取りで高級感がある。これまでにもこのような下げ札のついた腕時計を見たことはあるが、大抵は紙にモデル名と価格が書いてある程度のものなので、新鮮な感じを受ける。

パッケージにも付属品にもこだわりが見られるのはプラスポイントだ。


ケース



一目見てこの腕時計を印象づけるダイヤル部分。そこには鱗模様が立体的に刻まれている。それがブランドシンボルだなんて知らなくても、化粧箱を開ける過程からここに至れば誰だってこの鱗模様がValimorというブランドと、このCaliburnus腕時計を特徴付ける要素となっていることが判ることだろう。なお、この鱗模様は古代の鎧に刻まれたドラゴンスケールを模したものだとのことだ。


鱗模様がケースのダイヤル部分をぐるりと回っているのでウロボロスを連想される方もおられるだろう。


ケース径は42mm、厚は12.65mm、材質は316Lステンレススチールで、裏蓋を除く各部分には特殊なPVDコーティングによりエイジング加工がなされている。この加工により表面が守られるだけで無く、ケース要素の奥まった部分は黒ずんで、角となっている部分は色が禿げたように見え、特に鱗模様部分の立体感が増して見える。


風防はARコーティングがなされたサファイアクリスタル。(なお当初Kickstarterキャンペーンではサファイアコーティングされた強化ミネラルガラスを初期風防として提供していたが、十分な資金が集まったことでサファイアクリスタルがアンロックされ、現在市販されているバージョンはサファイアクリスタル風防が標準となっている。)


竜頭部分は冠を模しているとのことで、側面にも模様が刻まれ、エイジング加工がなされている。さらに竜頭頭頂にはスワロフスキークリスタルが埋め込まれている。クリスタル部分は黒色で艶があり、光を控えめに反射する輝きがある(あまりキラキラしすぎていないのは嬉しい)。スワロフスキークリスタルの頭頂部分は面取りされているため、手首にスワロフスキーが刺さり込むなんてことも無い。


この腕時計が目を惹くのは表面だけではない。


裏面内部に見ることの出来るオリジナルローターはシルバーとゴールドの二色で構成されており、ゴールド部分には美しいギョーシェ彫りが施され、ブランド名とロゴが黒地でプリントされている。


ローターはオリジナルなので(通常ムーブメントについてくるローターはこのような装飾は無い)、ここで用いられているゴールド色がムーブメントのテンプ部分のゴールド色とマッチしているという点もデザイン的に考えられた部分だろう。また、鉄と石で構成された外面の裏を返せば金が秘められていると言うのもストーリー性があるとも言えるかもしれない。


シースルーバックとなった裏蓋はねじ込み式で、これも材質はステンレススチール製のようだが、ここにはエイジング加工は施されていない。しかしここにもやはり鱗模様が施されており、全体的な統一感を出している。防水性能は5ATM。

使用するムーブメントはMiyota 821A。21石、2万1600vph、パワーリザーブは42時間の日本製ムーブメントだ。ローター音は軽め。


この腕時計は面白いことに、欧州連合知的財産庁EUIPOのデザイン特許#004742294-0001を取得している。これは腕時計のデザインの自信の現れとも言えるだろうし、それだけこの腕時計がユニークな見た目を持っているということの現れでもあるだろう。


一つ残念なことは、斜めから除くとムーブメントホルダーの白いプラスチックが見えるという点。これはThomas Earnshawの腕時計レビューx2)とも共通するが、積極的に覗き見ることが無い部分ではあるが、質感的にこの腕時計の他の全ての要素とは異なっている部分なので見えると違和感のある部分だ。


ケース側面のストラップで隠れる側には小さな窪みが位置する。これはケース径とストラップの付け位置の兼ね合いから削られているものだろう。


文字盤



重厚なケースの中に位置する文字盤も特徴的な要素。石に刺さった剣エクスカリバーにインスパイアされただけあり、文字盤には花崗岩が用いられているのだ。

なお別色モデルの文字盤には別の色の石が使われており、例えば青いBlue Lapis Lazuliには(その名の通り)ラピスラズリ/瑠璃が用いられ(そしてレザーストラップも青色)が、赤いRed Rainbow Jasperには赤いジャスパー/碧玉が用いられている他、深緑のGreen Marble(大理石)、緑のOcean Grass Agate(瑪瑙)、水色をしたAventurine(砂金石)版も存在する。


文字盤に用いられているのは宝石クラスの自然石(jewellery-grade natural stone)とのことで、二つとして同じ文字盤を持つものはない。文字盤に起伏は無いものの、花崗岩の特性により角度により光を反射する面が異なり、複雑な自然石の模様に更なる複雑性をもたらしている。写真では判りづらいが、この花崗岩の文字盤は多少鏡面的な効果があるようで、光の当たり具合によって秒針の(影では無く)鏡像を見ることが出来る。


12時位置にはValimorのブランド名とロゴが印刷され、6時位置には自動巻きムーブメントであることを示すAUTOMATICのプリントが。流石にここまで接写するとジャギーが目立つが、これは虫眼鏡でも使わない限りは判別できないだろう。


針は時分秒針の三針。針はダイヤモンドカットにより切り出されている。時分針の「刃」の部分は類似する形状で、中心より長さ方向に僅かに山折りとなり、中抜きがなされている。時針のみには「刃」の両側から剣のつばを彷彿とさせるような形がでている凝った形。秒針は艶のある仕上げで、後ろ側には剣のつばや柄に似た装飾が施されている。


時分針はその後に、通常高級時計にしか使われないような複雑な中研磨(semi-polishing)加工が施されている。これは一見すると判別つかないのだが、片面は艶出し仕上げ、もう片面はヘアライン仕上げとなっているのだ。文字盤面に対してのコントラストを高め、可視性を高める為に、針にこのような2種類のテクスチャが用いられているとのこと。確かに面により光の反射の仕方が微妙に異なる。よっぽどの鷹の目を持つ時計ファンでもなければこの繊細なこだわりは見抜けないだろう。


各時のインデックス部分は、艶のある銀色の部品の中に蓄光材が挟まれたようになっている。平面で構成された文字盤であれば光の角度により反射しない面が存在するが、このインデックスは丸みを帯びており、そのため文字盤に入り込む光をどの方向からもよく反射する。


時分針の蓄光はスーパールミノバBGW9で青色に光る他、インデックスは緑に蓄光する。(なお写真では、バー状のインデックス部分の蓄光の外側に点状の緑の光が見えるが、これはインデックス部分の蓄光がケース内部に反射しているもの。また、写真で8時あたりに見られる紫色の光はスマートフォンの赤外線センサーの類いが風防に反射した光かと思われる。)


ストラップ



ストラップもこの腕時計の特徴の一つだ。クイックリリース式で、材質はレザー。だがこれが鰐皮では無く牛皮だと言えば驚く人も少なくないかもしれない。それほどにクロコダイルレザーをとてもリアルに再現しているのだ。


それもそのはず、これは本物のクロコダイル革を3Dスキャンして得たデータを元に精度の高い型を独自に作成し、これを用いてトップグレインの牛皮に型押ししたものなのだ。


バックルは剣の柄(つか)を模した形をしている。


この部分もエイジング加工がなされたステンレススチール製で、Valimor社のロゴを中心に装飾が彫り込まれている。


16~17cmほどの私の手首周りのサイズでは、一番小さな設定で僅かに大きい~丁度良い程度。


Image courtesy of Valimor

なお市販版の購入オプションとしてはこのレザーストラップの他にエイジング加工がなされたメタルブレスレットも存在する。メタルブレスレットは316Lステンレススチール製5コマ式バタフライバックルで、中の二コマにはおなじみの鱗模様が刻まれている。


まとめ



アーサー王/エクスカリバーの伝説を基軸にデザインされ、しっかりとそれぞれの要素にValimor社の独自性が入れ込まれている。ぱっと見にも高級感があるし、(裏面を斜めからのぞき込まない限りは)詳細に眺めてみても高級感がある。デザインに1年以上かけたと言うだけあり、まとまりのあるデザインで、一つの独特のスタイルを確立できていると言えるだろう。

このようにデザインの力でスタイルを確立している腕時計は、クオーツ時計の中には他にも時折見受けられる。その一方で、10万円以下という比較的手頃な部類の機械式腕時計の中には、「統一感のあるデザインで上手くまとめられた」デザインは多々見受けられても、このValimorのCaliburnusのように統一感のあるデザインでうまくまとめられた「独自のスタイルを持つ」腕時計は非常に希だ。

価格はストラップオプションに応じて異なり、今回レビューしたレザーストラップ版が435ユーロ(記事執筆時のレートで、約5万3000円)、メタルブレスレット版は501ユーロ(約6万1000円)となっている。


CaliburnusはValimorの公式ウェブサイトから購入可能となっている。また、Valimorには今回レビューしたCaliburnusの他にも、Kickstarterでキャンペーンを成功させているMakaidosというコレクションも存在する。そちらはまだ一般販売前のプレオーダー段階だが、Valimorブランドのスタイルが気に入った方は同社のウェブサイトを覗いてみると良いだろう。


Source: Valimor, Kickstarter

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豪MAS Watchesから、クラゲにインスパイアされた美しいダイバーズウォッチ「The Irukandji」

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Sponsored by MAS Watches

オーストラリアからやってきた新たなマイクロブランドMAS Watchesが現在Kickstarterでキャンペーン中の「The Irukandji」をご紹介しよう。

MAS Watchesにとって最初のコレクションとなる「The Irukandji」は猛毒を持つクラゲから着想を得てデザインされたダイバーズウォッチだ。独特の形状ながらも上手くまとまったその要素を見ていこう。



MAS Watches



MAS Watchesの正式名称はMatthew and Son Watches。創設者は数々のオーストラリアの有名ブランドに長年携わってきたMatthew Francis氏。実は彼も、彼の若き息子Tateくんも腕時計が大好きで、Matthew氏は創業して自らが情熱を注ぐ腕時計で生計を立てようと決断、こうしてできたのがMAS Watchesだ。

腕時計業界には家族経営のブランドも少なくないが、それらの多くは創業が古いものが多い。まだTateくんは若く、成長して父の後を継ぐかどうかは今は確かなことは言えなさそうだが、こうして家族で共通する情熱の対象が仕事になることで、ゆくゆくはMAS Watchesもそのような老舗時計ブランドとなるのかもしれない。

そんなMAS Watchesが目指すのは、高品質かつユニークなスタイルを持つ、腕時計ファンにアピールできる腕時計だ。また機能性と手に届きやすさもMAS Watches製品の重要な要素としている。


ケース



The Irukandjiは200m防水のダイバーズウォッチでありながら、その見た目は新鮮だ。回転式ベゼルと、可視性の高い文字盤要素、そして手首の動きを阻害しない竜頭位置…といった潜水用にデザインされた時計の特徴を備えながらも、まるで丸みを帯びた小石のような完成感を持った独特の形状をしているのだ。

2mm厚のドーム状のサファイアクリスタル製風防には内側に反射防止コーティングがなされている。風防のドーム傾斜が美しく延長するかのように、その外側には同様の傾斜を帯びたベゼルが。ベゼルは逆回転防止式で120クリック。ベゼルインサートは傷に強いセラミック製で、目盛り部分は蓄光。


ベゼル側面もまた、ケース側面の傾斜にあわせて角度がつけられている。側面は掴みやすいと同時に引っかかりを少なくするため、角が面取りされたコインエッジとなっている。竜頭はねじ込み式、側面はコインエッジで、頭頂にMASのロゴが刻印されている。

ケースはおなじみ316Lステンレススチール製で、海での使用にも耐えうる。仕上げは艶消し仕上げ。横から見るとケースは同部分が突出していることが判るだろう。ベゼル部の径は39.5mmだが、ケース横の径が最大となる部分は42mmとなっている。


ケース径最大部から下は、先細りしてラグの付け根下部あたりで終っており、そこから下は艶のある裏蓋がケースの傾斜を引き継ぐようにして先細り。このため42mmのケース幅が直接手首に触れることは無く、手首に接する面はより小さい。これは手首の大きさによらず着用性を高めるためのデザインでもある。

ラグはケース径が最大となる箇所を中心に斜め下に飛び出す。ラグからラグまでは46mm。腕時計の厚みはケース底からベゼル部までが13.13mm、風防を含めると15mmとなっている。


こうして横から見ると、風防のカーブ、ベゼルの傾斜、ケースの上下傾斜、裏蓋の傾斜、これらのパーツを異とする要素が綺麗に繋がった統一感が生み出されている。そしてこの形、なんだか時計部がクラゲの体で、ストラップがその触手に見えてこないだろうか?そう、この形は実はクラゲからインスパイアされたものなのだ。


ケース裏にはクラゲが描かれている。実はこれは彫り込まれたものではなく、刻印よりも耐久性があり高級な仕上げである油圧式プレスで描かれたもの。このクラゲはコレクションの名前「Irukandji」にもなっているクラゲで、日本語では「イルカンジクラゲ」だ。このクラゲに関しても説明しておこう。


image: Forgerz, CC BY-SA 3.0

イルカンジクラゲはオーストラリア北東部近海に生息する熱帯性の「ハコクラゲ」の1種で、小さいながらも非常に強力な毒を持つことで知られている。毒性は非常に強く、刺されるとイルカンジ症候群を引き起こす。症状としては激痛と急激な血圧の上昇、死亡することもある。Wikipediaによればこのクラゲの触手は数cmから1mほどあるが、体部分は僅かに5mmから25mmほど。このためイルカンジクラゲが見えないまま刺されることとなり危険なのだ。


多くのダイバーズウォッチでは、手首を動かしたときに手の甲に竜頭が当たることを避けるために4時位置に竜頭がある。だが個人的には、時計の性能が高いのであればまず竜頭を使う機会は少ないはずであるし、そもそも時計の時刻合わせは腕につけたまましないように推薦されているため、また竜頭使用にそこまで繊細な手の動きが必要とされないことからも、(右利きユーザーを考える際に)時計の右側に竜頭がつく意味は無いと考える。逆に右利きユーザーが左手に腕時計をつけて、4時位置に竜頭があったとしても、手首を捻る際などに結局竜頭の突起が手首にぶつかることとなるし、手首周りで周囲のものに引っかかることもある。つまりそもそも手の甲のある側に竜頭が飛び出ていることはおかしいと感じるのだ。


ありがたいことにThe Irukandjiでは竜頭位置が10時位置か4時位置か、好きな方を選ぶようになっている。そのため利き腕がどちらであっても竜頭が手の甲に食い込むことなく、また手首周りでものに引っかかる危険も少ない竜頭位置を選択できるのだ。ダイバーズウォッチのような実用性が必要な腕時計でこの竜頭位置オプションが選択可能であることは重要だと思う。

使用ムーブメントは安価で良質な自動巻き機械式ムーブメント、Seiko SII NH35が用いられている。


文字盤



文字盤はサンダイヤルとなっており、色は「Deadly Black」、「Reef Blue」、「Stinger Pink」の三色。分ごとの目盛りのついたダイヤルリングも文字盤色に合わせた色となっているほか、「Reeg Blue」はベゼルインサートも青色、他の二色のベゼルインサートは黒色。


文字盤内のインデックス要素は大きく見やすい。12時、6時、9時には三角形に近い形状(中心を向いた角は先が面取りされ、外側の面は弧を描いている)のインデックス、3時には銀の縁取りの日付窓、このほかには各時に丸いインデックスが位置している。各インデックスはもちろん蓄光する。

針は時分秒の3針で、どれも蓄光部分がある。時針は先端が注射針のように飛び出したペンシル針、分針は同じく先端が飛び出すもののバトン針。秒針は面白い形をしており、時計中心で針の全長が7:3に分割されたようになっており、短い方側は文字盤と同色で塗られ、その先に丸い蓄光部がある。


なお、ストレッチゴールとして、7万5000豪ドル以上の資金が集まれば、少なくとも1色の追加色が加わるとのことだ。追加されるカラーはバッカーによる投票で決まる。


ストラップ



ストラップ幅は20mm。ストラップはナイロン製、ラバー製かキャンバス製かを選択可能となっている。

ナイロン製のものはクイックリリース式となっているほか、上に紹介してきた写真でもお判りの通り、時計文字盤の色合いにマッチしたツートンカラーのバリエーションが用意されている。


バックルにもロゴが刻印されている。


キャンバス製とラバー製のものは写真がないが、十分な出資金額が集まればメタルブレスレットもしくはメッシュスタイルブレスレットのオプションもアンロックされるとのこと。


それらは参考写真が幾らか掲載されている。



まとめ



The Irukandjiの小売価格は469AUD(記事執筆時レートで約3万5000円)。Kickstarterキャンペーン特別価格は349AUD(約2万6000円)からとなっている。なおリワードには腕時計の他にも、時計を持ち運ぶのに便利な腕時計ロール、保証書、2年保証がついている。

独特な見た目ながらも全体的な統一感を持ち、価格もお手頃。200m防水に可視性の高い文字盤、蓄光のついたセラミック製ベゼル、と実用性も高く、極めて有毒なイルカンジクラゲにインスパイアされた時計というストーリー性も魅力だ。もちろんこの腕時計にはイルカンジクラゲの持つような野蛮な毒はないが、手頃な価格で腕時計ファンの心にはグサリとその魅力を注入できたようで、Kickstarterキャンペーン終了まで8日間を残し、既に目標金額の115%である330万円以上の資金が集まっている。


特にMAS Watchesにとって初めての腕時計コレクションで奇抜性と実用性を兼ね備えたここまで面白いデザインを出してくれるのだから、ブランドの今後の展開には注目していきたいところ。また、親子で創設した新興家族経営腕時計ブランドとしてもどう成長していくか楽しみだ。




Image courtesy of MAS Watches

Source: Kickstarter, MAS Watches

(abcxyz)

独特の切り抜き式日付ディスクとチタン製ケースが特徴のパワーリザーブ表示付き自動巻き時計OPIFEX Watch - Venture

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Sponsored by OPIFEX Watch

今回レビューするのは香港の若手マイクロブランドOPIFEX Watchの記念すべき初代コレクション、「Venture」。一枚板切り抜きで作られたユニークな日付表示部とチタニウム製のケースが特徴の、パワーリザーブインジケーターを備えた自動巻き機械式時計だ。



Venture




こちらの動画はKickstarterキャンペーンより。そう、実はOPIFEX WatchのVentureは2017年にKickstarterで270万円以上を集め成功しており、ある意味OPIFEX Watchの原点ともなる腕時計だ。

カラーバリエーションは、今回レビューする黒で統一された「Charcoal」、黒ベースにローズゴールド色の「Venture Rosegold」、黒ベースに金色の「Venture Champagne」、そしてシルバーで統一された「ATOM」の4種が存在する。


Image courtesy of OPIFEX Watch

今回はレビュー用に化粧箱無しで製品を提供して戴いているため、化粧箱のレビューはないが、Kickstarterキャンペーンページによればこのようなものとなっているようだ。


ケース



ケースは軽量で低アレルギーなチタニウム製。CNC加工、EDM加工(放電加工)、手作業研磨、PVDコーティング、という複雑な工程を経て完成させられている。


風防は傷がつきづらいサファイアクリスタル製で、内側に反射防止コーティングがなされている。面白いのはそれと同時に風防の内側、3時位置にOPIFEXのロゴが印されていること。はめ込むときにロゴが斜めにならないようにするのは大変だろうな、なんて思ってしまうが、その労力以上の効果があるだろう。ロゴの位置として盤面の他の要素の邪魔にならず、他の要素の邪魔にならず(ロゴが小さめであることもその理由ではあるが)、更には立体的な文字盤に更なる立体感を生んでいるという意味でも面白い。


小さいロゴではあるが、プリントの精度がとても高いのも特筆すべき点だろう。プリント精度が低ければ、フォントの傾斜する線などはカクカクになってしまうが、これだけ接写してもロゴ要素はくっきりとした滑らかな線となっている。

竜頭はヘリカルギア(はすば歯車とも)状に斜めの突起が連なっている。言ってみればよく見かけるコインエッジの竜頭も平行に突起が連なっているが、こちらは斜めの突起であることでどことなく機械的な味が出ている。竜頭の頭頂部はレコード状に同心円が見えるヘアライン仕上げだ。


Image courtesy of OPIFEX Watch

レビュー品はブラックなのでわかりにくいが、ラグ部分は艶のある仕上げになっている。実は面白いことにラグはケースリング部とは別部品となっており、時計背面、裏蓋の奥部分の部品と繋がっている。


ケース裏面はねじ込み式で、中心部はミネラルクリスタルによるシースルー。裏蓋外周には、チタニウム製ケース、50m防水、シリアルナンバー、ロゴなどが刻印されている。なお防水性能はOPIFEX Watch社内でWitschi Proofmaster Sによりテストされている。


ローターはすっきりと何の表記も無く、コート・ド・ジュネーブ仕上げの美しさが際立つ。ローターの回転音は大きめ。


ムーブメントはHangzhou Watch Co.製のムーブメント2B00をベースに独自の改良を施したFE01M。2万1600vph、22石、パワーリザーブ約40時間の自動巻き機械式で、主に時針歯車カバーと、スケルトン仕様の日付ディスク(文字盤の項で詳しく説明しよう)がオリジナル部分となっている。手巻きも可能。OPIFEX Watchのコメントによれば、FE01Mは6姿勢でのテストが行われており、「Miyota 8215と同程度の精度」を持つとのことなので、日差-20から+40秒くらいか。(実際暫く腕に装着しているが、確かに日差はその程度であるように見受けられる。)


文字盤



この腕時計の最も大きな特徴は文字盤にある。立体的な文字盤要素の一番奥にはムーブメントの地板と共に一部歯車なども見え隠れする。そして地板の上に僅かに浮かび上がり影を落とすのが、ユニークな日付表示部だ。


Image courtesy of OPIFEX Watch

通常の日付表示部は、ディスクに日付がプリントされているものが、内側にツメのついた平たいリング状の部品の上に載っている。これが一日一度日付の変わる頃合いに日送り車という部品によりツメ一つ分動かされることにより日付表示が変わるのだ。このVentureは、日付をディスクにプリントするのでは無く、ツメのあるリング状部品だけでできている。301ステンレススチール製の一枚板を切り抜いてそれぞれの日付が示されると共に、同じ部品にツメがついているわけだ。この日付ディスクは電気めっき加工が施されているとのこと。

今日の日付は4時位置にある窓枠内に表示される。レビュー品は黒系の色で統一されたVenture Charcoalなのでぱっと見目立たないが、他色であればこの窓枠がシルバー/ゴールド/ローズゴールドとなっている。

時分針もオリジナルで、平らなアルファ針の先端を削りとり、2箇所に中抜きを施したような形状をしている。


針の先端に近い側の中抜き部分はスーパールミノバBGW9蓄光となっている。


各時のインデックス部分は錐台状の植字インデックスで、艶のあるシルバー色。錐台形のそれぞれの面が光を反射するので可視性が高い。各時のインデックスの間には、艶消しブラックの部材が位置しており、各分の目盛りが白色で印刷されている。


12時位置のパワーリザーブインジケーターと、6時位置のスモールセコンドのサブダイヤルはリング状となっており、立体感のある文字盤内に浮かんでいるような印象を与える。このリング状の部品は内と外の両側面に傾斜がある。天となる面は黒色で、同心円状にレコード状の線の見えるヘアライン仕上げだが、傾斜面は艶のあるシルバー色で、光をよく反射する。


パワーリザーブインジケーターは、やはり自動巻きムーブメントなのでどれだけの時間時計が動くのか、どれだけの間腕時計を外していても回ってくれるのか判るのは(複数の腕時計をお持ちの方にとっては特に)便利だ。また、パワーリザーブの針が、リザーブが少ないことを示す赤い表示部から徐々に動いていくのも、自分の動きが時計のパワーとなっていることが目視できて嬉しい。


パワーリザーブインジケーターの左下部分には非常に小さなフォントで「POWER RESERVE」と記してある。文字情報として記すのであれば小さすぎる文字ではあるが、この腕時計の所有者にとってはそんなことはわかりきったことであるため、装飾としての意味合いの方が強いだろう。また、このサイズのフォントで文字を潰すこと無く、くっきり高精度でプリントできるのも凄い。


パワーリザーブインジケーターもスモールセコンドも、針は共通して2箇所に中抜きが施されたペンシル型となっている。特にCharcoalカラーだとどちらの針も目立たないが、どちらも可視性が重要な部分ではないので問題は無い。


ストラップ



Ventureの付属ストラップは、テキスタイルストラップとチタニウムストラップから選択可能。チタニウムストラップ版の方が100ドル高い。

レビュー品に付属するのはチタニウム製のもの。こちらもケースと素材が同じだけで無く、やはりCNC加工、EDM加工、PVDコーティング(TiC/炭化チタンコーティング)がなされ作られている。こちらもこの時計のために新規作成された物だ。

ぱっと見3連に見えるが、1連であり、表面に起伏がつけられている。この起伏は一見単純で見た目以上の意味が無さそうに見えるが、起伏のお陰で平らな面にブレスレットを擦ってしまっても、コマ表面の一番目立つ表面積の大きな部分ではなく、起伏部分がまず擦れるため、傷が目立ちにくいという利点もある。


バックル部はプッシュボタン式両開きバックルとなっているので着脱時に落下しづらい。コマ部は艶消し仕上げだが、バックル部(閉じた状態だと見えないが)とボタンは艶あり仕上げ。

コマは割ピンで接続されている。サイズ調整がしたいが調整工具をお持ちでないという場合は、時計屋さんに持って行き調節してもらうのが一番だろう。(それでも自分で調整したいという方は「腕時計 バンド 割ピン」などとググると調整の仕組みがご理解戴けるはずだ。)


外すことが可能なコマは全部で6つとなっており、16~17cmほどの私の手首径では、コマを5つ外してようやくキッチリなサイズとなった。汗をかかない限りはこの長さで問題無いが、微妙に長くできればより具合が良いと思える感じ。だがコマを4つ外したら緩いし、この部分は微調整も可能であればなおよかった。


Image courtesy of OPIFEX Watch 写真はVenture Atomのもの。

なおテキスタイルストラップの方は表面がテキスタイルで、内面がレザーとなっており、腕時計にマッチした色でスティッチがなされたストラップとなっている。こちらもストラップホールを超音波加工でシーリングしてホールの強度を上げるなどの工夫がなされている。


まとめ



価格は3699香港ドルで、記事執筆時の日本円換算だと約5万3000円。1年間の保証付き。


自動巻き機械式ムーブメントでパワーリザーブインジケーター付きと考えるだけでも妥当な金額だ。だが、ユニークな日付表示部をはじめとし、この時計のためだけに新規製造された各パーツ、風防にプリントされたロゴ、チタニウム製の部材、PVDコーティング(通常PVDコーティングされた腕時計はそうでない同モデルの物よりも価格が高い)などの細かなこだわりがあった上での価格と考えるとお得感すらある価格設定だ。

購入はOPIFEX Watch公式サイトもしくはIndiegogのINDEMANDページから可能となっている。


Source: OPIFEX Watch

(abcxyz)

機械式ダブルテンプ・ムーンフェイズ・カレンダーが4万円以下!?SOVRYGN Watches提供レビュー

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今回はカナダSOVRYGN Watches現在Kickstarterでキャンペーン中の腕時計をレビューしよう。

自動巻き機械式ムーブメントを採用し、安価でありながらもダブルテンプ、ムーンフェイズ*、そしてカレンダーを搭載した驚きの時計だ。
*後述



SOVRYGN Watches




SOVRYGN Watches。同社の名前、SOVRYGNは、「主権」とか「君主」といった意味の「SOVEREIGN」からとられている。

提供いただいたのはローズゴールド色のケースに青い文字盤のものと、シルバー色ケースに黒文字盤のモデル。


ケース



風防はドーム状でサファイアクリスタル製。316Lステンレススチール製のケース径は39mm、厚は12mm。大きすぎも、分厚すぎもしないサイズ。だがここに多数のコンプリケーションが詰まっていると考えればなかなか悪くない大きさだと言えるかもしれない。


ケース側面から見ると、風防脇は二段の傾斜がある。真上から見るとケース部は艶があるが、ケース中部側面は縦方向にヘアライン仕上げ。


竜頭はコインエッジ。頭頂部は僅かに膨らみを帯びている。竜頭周囲にそこまで大きな窪みがないため少々つまみにくい。竜頭の横には日付送りプッシャー。プッシャーの色はシルバー。


竜頭とは反対側の側面にはムーンフェイズ用のプッシャーがある。


裏蓋はシースルーバックとなっている。シースルー部の外側は艶のあるシルバー色で、蓋はねじ込み式。オール・ステンレススチール、自動式、の表記の他、シリアルナンバーもシルバー部に刻印されている。


Image via Kickstarter

なお、ちなみにカラーバリエーションはこちらの通り。


ムーブメント



たいてい腕時計レビューではケースの項目で使用ムーブメントについてさらりと紹介して終わるが、殊にこの腕時計に関してはムーブメントに関して語らずして終ることはできないだろう。

複数の複雑機構を併せ持つこの腕時計のムーブメントが何であるか、時計愛好家であれば知りたいと思うだろう。SOVRYGN Watchesの使用するムーブメントはShanghai Jinghe Industrialの「JHLS-15」だ。


このムーブメントに関しての情報はそう多くないが、ダブルテンプ、ムーンフェイズ、カレンダーを持つムーブメントで、JHLSのムーブメントの中には他にもダブルテンプを持つムーブメントが存在する(例えば後にチラリと名前を出すJHLS-02はダブルテンプ以外の複雑機構はついていない)。


image courtesy of SOVRYGN Watches

SOVRYGN WatchesによればJHLS-15には「安定」しているもの(写真右)と「不安定」なもの(写真左)、この2つのバージョンが存在し、同社が採用するのは安定しているもの(ただ写真を見る限り別ムーブメントに見えなくもないが…)。Kickstarterコメント欄でSOVRYGN Watchesが語るところによれば、パワーリザーブは36時間で、日差は+/-10秒とのこと。


目玉のダブルテンプに関しては、時計として稼働するのには両方のテンプが必要というわけでは無く、針を動かしているのは右のテンプ。上の写真は右のテンプしか動いていない状態。左側は静止しているのがお分かりのことと思う。


左右の香箱車内に収められたヒゲゼンマイが巻き上げられ、その力が徐々に解放されていくことで左右のテンプが動く。共通の丸穴車(写真で竜頭横からつなる四つの歯車のうち、右から二番目)により角穴車(丸穴車の両隣)/香箱車が回されるため、竜頭を回すにせよ手首の動きによりローターが回るにせよ、左右の香箱車は同じ歩合で巻き上がるはずなのだが、なぜだか右が先に動き出す。これは提供サンプルの両方で確認できた。

手首につけたまま就寝し、朝9時頃起きてみると左のテンプだけ動いており、右テンプは止まり針は同日7時半を指していることもあった。ヒゲゼンマイが左右で異なるのだろうか?


裏から見る内部構造もキレイめ。何も文字情報は記されておらず、地板の一部とローターにはコート・ド・ジュネーブ仕上げがなされている。

裏蓋側から見てローターが時計回り回転すると巻き上げられる。時計回りに竜頭を回すことで巻き上げることも可能。手巻きにせよローターの回転にせよ、二つのゼンマイを巻き上げるのだからさぞかし重いのだろうと思いきや、以外と巻き上げに力が掛からず驚いた。竜頭は(SII NH35などの「チリチリチリ」といった歯車を壊しそうな巻き上げでは無く)「カリカリカリ」といった安定感のある巻き上げ。裏蓋側から見れば巻き上げ時の歯車の動きも楽しめる。


ダブルテンプのレゾナンス?



このようなダブルテンプ採用のムーブメントの中には、テンプを近い位置に配置することで、共振によりその動きを同期させ、それにより精度を上げることを謳う「レゾナンス」機能を持つ腕時計もでている。複数のテンプを持つ腕時計の中には、このように共振するものとは別に、二つのテンプの振動数の平均をディファレンシャルギアを使い求めるというMB&FのLegacy Machine N°2 Titaniumのようなものもある。

暫く前にKickstarterでキャンペーンを行っていた時計のドキュメンタリープロジェクト『Keeper of Time』のキャンペーンアップデートでは、F.P. JourneのChronometre a Resonanceに関する2分ほどのクリップを見ることが出来る。ここではそれがどのように起こるか謎の、腕時計の魔法、というような説明がなされているが、それは言い過ぎであろう。

Watch Media OnlineのCC Fan氏による記事「アーミン・シュトローム 物理現象としてのレゾナンス(共振)について」では、東京理科大学 池口研究室の動画を交えてわかりやすくその仕組みが解説されている。そこでは糸でつるされた台の上に載った複数個のメトロノームが、次第にその動きを同期させる様子などを見ることが出来る。メトロノームのエネルギーが台を通じてやりとりされ、共振によりメトロノームの動きが同期されるとのこと。また、同記事ではArmin Stromのレゾナンスシリーズの共振に関しても解説されており、そちらの腕時計に関しては、エネルギーのやりとりをするためのレゾナンス・クラッチ・スプリング部分(メトロノームの例で言うところの宙づりの台)により共振しやすく設計されている。

watchuseek watchforumのスレッド「Dual open heart watch - how does this work?」でのWilliam Ho氏の投稿によると、今回レビューしている時計に用いられているJHLS-15(もしくはJHLS-02)では左側のテンプはスモールセコンド用の歯車に繋がっているというが、氏の投稿のムーブメントでも、同ムーブメント採用の他の時計にも、そしてこのSOVRYGNの時計にも、その部分にスモールセコンドはつけられていない。つまり左側のテンプは目に見える機能は有さない。

しかしこのスレッド中では、自称物理学者のTurbo-Tom氏によりJHLS-15の共振の可能性が語られている。Turbo-Tom氏は、二つのテンプの間に銅色の部品が存在し、それがテンプ可動部にとても近い(空気力学で言うところの)境界層部分にまで伸びている点、そしてテンプ間の地板部分にそれが取り付けられており、調節可能に見えるシャフト部分が存在することを示している。そしてこれらの点は今回のレビューサンプルに確認できた。


(写真で両青ねじ脇から突き出す銅色の突起)


(写真中央付近が一見調節可能に見えるシャフト)

また、氏の腕時計のテンプは9割方、共振状態か反共振の状態にあるとしており、それ以外の状態にあるときに観察していると、1分しないうちにどちらかの安定状態に移行するという。同氏はこのテンプ間の部材によりエネルギーが伝わり共振が起きているのではと考えている。

このほかにTurbo-Tom氏は、テンプの動きが互いにずれてくる際にはハム音が発生し、ズレが大きくなる際にはハム音が大きくなるとしている。また、堅い表面に時計を置くと反共振、柔らかい表面や腕に置くと共振するともしている。

私は専門知識は持ち合わせていないのでこのSOVRYGN Watchesの腕時計がレゾナンス効果を発生させることにより益を得ているかは断言しないが(そしてSOVRYGN Watchesはこの時計が共振するとは宣伝していない)、観察する限りは確かに一定の傾きにおいて暫く置くと、ある程度両方のテンプの動きは同調するようにも見える。


文字盤



文字盤は細やかなディテールが存在すると共に、インデックスの下に位置する部分は滑らかな仕上げで上品さもある。各時のインデックスはケースと同色のローマ数字のものが9時から3時まである。これの外周には分刻みのレイルウェイ目盛りが存在する。このレイルウェイ目盛りの各時部分は太くなっており、蓄光仕上げとなっている。


針は時分秒針で、時分針はアルファ針型で中が蓄光。秒針は後部が矛先型となっている。


蓄光させるとこんな感じ。


12時位置には、この腕時計の目玉の一つでもあるムーンフェイズとカレンダーがついている。カレンダーは矢印状の針で日付を指し示すタイプ。針の色は時計ケースと同色で、針先のみが赤く塗られている。また、カレンダーもムーンフェイズも夜中を過ぎたあたりに自動で送られる。

腕時計愛好家の方であればご存じの通り、ムーンフェイズは月の満ち欠けを表示するための複雑機構。一般的なものでは、両端に月が記された円形のダイヤルが、月の満ち欠け周期(29.530~日)の近似値を29.5日として、その倍数である59日でディスクが1周するという仕組みとなっている。(ただし、BEHRENS ORIGINALの記事でも記した通り、これと異なる方法で月の満ち欠けを示す時計もある。)


残念なのはムーンフェイズの表示窓。御覧の通り。月が完全に隠れる前にもう一方の月が見えてしまうのだ。意図的にムーンフェイズダイヤルの二つの月両方を見せようとする場合は別として、ムーンフェイズ部分に一度に表示される月の数は一つであるべきだ。この表示窓は、窓の開口部が開きすぎているため、もしくはムーンフェイズダイヤルの月が窓の大きさに対して大きすぎるため、月が見えないはずの「朔」(「新月」とも。英語ではnew moon)が再現できず、「朔」前後には二つの月が見えてしまう。このため、正確な月齢が表示できるのは満月の時のみだ。

ムーンフェイズプッシャーを押して確認したところ、確かに59回でディスクが一周した。つまりムーンフェイズ機構としてはきちんと作動できるものであるということ。それだけに文字盤面のデザインによってこれが台無しになっているというのは非常にもったいない。


そして4時と5時の間と、7時と8時の間の部分には先に紹介した二つのテンプが。どちらもインカブロックのルビーが美しい。


この耐震軸受けはツインブリッジにより文字盤側に止められている。文字盤のテンプ外周はケースと同色の艶のある縁取りがある。なぜだかこの縁取り部分には目盛りがある。テンプの上には、45石オートマチック、耐水30mの表記も。


そして文字盤中心部より2時方向にはSOVRYGN Watchesのロゴが印されている。


ストラップ



ストラップ幅は20mm。牛本革に鰐皮風の竹斑が型押しされたもの。


ブラウンのストラップのほうが色に濃淡が出ているためか、ブラックのものよりもブラウンのストラップの方が鰐皮風型押しの質感が良い。

観音開き式のDバックルとなっているため、腕時計脱着時に時計を落としずらく、ストラップを痛めづらい。


バックル部もケースと同色の艶あり仕上げで、閉じたときに外側に見える部分にはロゴが刻印されている。


まとめ



ここまで豪華な複雑機構を詰め込んで、予想小売価格はわずかに442カナダドル(記事執筆時レートで約3.7万円)。Kickstarterキャンペーンではその40%オフである265カナダドル(約2.2万円)で提供されている。

ある意味できすぎた話、とも言えるだろう。そして、できすぎた話にはつきものの「ウラ」は、この場合ムーンフェイズ表示機能の不完全さだ。

また、中国系のウェブショップでは、ほぼ同様の腕時計がより安価に販売されているのも事実である。その一方で、Kickstarterキャンペーンの中には、実際には他国の企業が北米やヨーロッパで主催されているキャンペーンだと偽るものもあるが、SOVRYGN Watchesに関しては確かにキャンペーン情報通りカナダをベースにしたキャンペーンであり、事実製品もカナダから配送された。また、Kickstarterキャンペーンページには記されていないものの、SOVRYGN Watchesは2年の保証がついていると私に語っている。怪しげな値段で売られている謎の腕時計とは異なるという安心感と、この保証による安心感も加わった値段と言っても良いかもしれない。

ムーブメントに関しては、ムーンフェイズ機構は機能するだけにこのデザインの詰めの甘さはもったいない。逆説的に、この中途半端さが値の安さの理由であると考えることもできるだろう。一方、ダブルテンプ部分に関しては宣伝されてもいないレゾナンスについて長々と書いてしまったが、これは腕時計が好きな方にとっても、機械が好きな方にとっても、精度への影響はどうであれ「楽しめる」機構だ。Turbo-Tom氏も指摘するように、精度がほどほどの機構を二つ同調させるよりも、精度が優れた機構が一つあった方がパフォーマンスは勝る。その言葉の通り、精度を求めるなら別の時計を買った方が良いだろう。

しかし、腕時計の中のレゾナンス(が発生しているかどうか)を観察したいという方、そして一つならず二つものテンプが動き見えるという装飾的要素に心揺れる方、一つの丸穴車が二つのゼンマイを巻き上げて二つのテンプを動かす…と言うところに浪漫を見いだせる方にはおすすめできる腕時計だ。加えて言うなれば、腕時計を分解したり修理・改造するのが好きという方にとっても、安価に弄れる機械式の複雑機構という意味で良いかもしれない。




Source: Kickstarter, SOVRYGN Watches, watchuseek watchforum 「Dual open heart watch - how does this work?」, Watch Media Online 「アーミン・シュトローム 物理現象としてのレゾナンス(共振)について」

(abcxyz)

耳の中にモノを突っ込みたくないけどAirPodsみたいなのが欲しい方へ…次世代ワイヤレスヘッドホンHuman Inc「Sound Headphones」

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ワイヤレス・オーバーイヤー・耳掛け・オープンタイプ・ヘッドホン…そうよんでも差し支えないだろうか。なんだか変な呼び方となってしまったが、これはクールでスマートで、まさに次世代のヘッドホン。Human Inc.によるSound Headphonesだ。

ワイヤレスイヤフォンであるAppleのAirPodsの発表があったのはWikipediaによれば2016年9月7日。その同月、2016年9月22日にIndiegogoでキャンペーンを開始し成功させている。

実にそれから3年近くの時を経て製品化されたSound Headphonesを見ていこう。



製品レビューが気になる方は読み飛ばす項目


出資から手に入れるまでの経緯



(公式の動画はなぜかもう取り下げられているのでYouTubeのTwizz Techから。本投稿と合わせてご覧になれば製品版とはデザインや機能が異なっていることが判るだろう)

私は2016年当時このキャンペーンに出資し、それがようやく製品として手元に届いた。とはいうものの、当時私はこのキャンペーンに大きな不信感を抱いていた。

製品のプロモーション動画は美しいものの、実際の製品とそれを作る過程はキャンペーンページからはよく判らず、プロジェクトアップデートでも最初のうちは製造プロセスやプロトタイプの写真はほぼゼロで、ただHuman Inc.の人たちがカメラに向かって話すだけの内容と信憑性に欠いたものだったからだ。これに関して私はHuman Inc.と数度のメールのやりとりをしている。回答はどれも丁寧なものだったが、どれも私の不安を払拭するには十分なものではなかった。そのため私は2017年2月頃に出資を取りやめることにしたのだ…。

Indiegogoではキャンペーンにお気に入りマークをつけると出資せずともプロジェクトアップデートが届く。そのためその後も私の元にはHuman Inc.からのアップデートが届いていた。当初の製品発送予定は2017年7~10月だったが、その期限には間に合わず。しかし徐々に彼らのアップデートからは完成に向けたプロセスに入っていく様子が伺え、「ああ、ちゃんとしたキャンペーンではあったんだな(もしくは当初はただ絵に描いた餅だったキャンペーンがバッカーからの資金で実現できたということなんだろうな)」なんて思っていたのだ。

だがなんだか私の元にも発送に関するメールが届き、よくよくIndiegogoの出資ページを確認してみると、私の出資はキャンセル扱いになっていて、「PayPalに返金済み」と書かれていた。だが私のPayPalアカウントを3年遡ってみてもそんな内容の返金は無い。せっかくなのでPayPalとIndiegogoとHuman Inc.にメールを送り返金がなされていないことを両者に通知し、どうせ製品ができ発送となるのだからと出資キャンセルを無かったことにしてもらい、製品を発送してもらった。

なお追加情報として、2018年10月にMS Poweruserが伝えるところによれば、MicrosoftはHuman Inc.に出資もしているようだ。


開封



キューブ状の箱に上にツマミが。


中にまず出てくるのがヘッドホン。


その下に充電ドック。ケーブルはUSB-Cとなっている。


なんだかナスのへたみたいなキャリングケース的なもの。ヘッドホン同士が磁石でくっつくので、これに入れていればカバンの中でバラバラにならないと言うことか。出すときは豆柴みたいに/枝豆みたいにケースを押して中からヘッドホンを押し出す。


後はUSB-C電源アダプタ(日米式プラグ)と、フィッティング調整用の部分が入っている。


ヘッドホン



ボタンの類いは一切無いデザイン。充電や接続を示すLEDの他は、マイクの穴とスピーカーとしての穴、充電端子くらいしか見当たらない。


ヘッドホンの左右は磁石により引っ付いており、両者を離すことで電源がオンとなる。電源オンからバッテリーレベル読み上げまで約20秒、スマホへの接続までは約30秒掛かる。充電ドックに置いた状態から接続までは10秒以内。

くっつけることで30秒後に自動的にオフになる。


充電はドックにこういう風に置く。こちらも磁石で引っ付くようになっている。


付け方・つけ心地



ヘッドホンとして使用する際には、耳かけ式のイヤホンの用に内側の可動部分を引き出し、それで外耳を挟み込む。少なくとも私の耳の形状では挟んで痛いこともないし、不快感も無い。


なお、耳の形状に合わせて耳にかける部分(Fit Attachment、シリコンの差し込み口により本体と接続)と、耳の内側部分に当たるスポンジ部(Fit Pad、マグネットで本体と合体)が取り替え可能になっている。付属するのはそれぞれ2種で、計4通りのコンビネーションがある。左右で耳の形状に違いがあることもあるので気に入る形状を見つけよう。

ただ、人によってはこのスウィートスポットを探すのが難しいかもしれない。私の場合、耳にかける部分を耳の付け根前方に合わせてフィットさせると、耳の付け根中央部が痛くなる(オンイヤーヘッドホンを長時間つけた場合も私はこの部分が痛くなる)。そのため、すこし耳の前方に余裕を持たせて挟むと丁度よく、痛みも無く、頭を動かすと多少動く感じはあるが、ずれていくような感覚では無く綺麗にフィットしてくれる。


一応サポートページにはフィットのさせ方を始め、髪が長い人の場合、メガネをつけている人の場合、などのためのフィッティング動画も用意されている。

「頭を動かすと多少動く」というのは意図された設計だそうで、この「遊び」があるために全ての耳にある程度心地よくフィットできるデザインなのかもしれない。耳掛け式のような構造ではあるが、実際にはヘッドホンの耳掛け部と、内側のスポンジ側で外耳を挟み込むようにして保持するようになっている。

しかしそれもあり、歩くとヘッドホンの揺れが耳の付け根を刺激(付け根部分を軸に外耳が動くため)、そのため不快感を感じた。試しては無いが、ランニングなどすれば痛くなりそうな気がする。

掃除はサポートページによれば乾いたマイクロファイバーで拭けとのこと。


コントロール



ヘッドホンの外側部分はタッチパネルとなっている。

タッチコントロールは左右どちらでも使用可能で、タップで再生/停止、前向きスワイプで次の曲、後ろ向きスワイプで前の曲、上向きスワイプでボリュームアップ、下向きスワイプでボリュームダウン。電話コントロールは2度タップで電話に出る/電話を切る、後ろ向きスワイプで掛かってきた電話を拒否。また、電話状態で無い場合は2度タップでデジタルアシスタントを呼び起こすことができる。

タッチコントロールは感度良く、的確に読み取ってくれる。その一方で、ヘッドホン装着時や耳から取り外す際には外側を触らねばならないのでそれがコントロールとして読み取られてしまうことがあった。実際にはタッチコントロールの読取り部は中央付近であり、外周付近を触れば感知されないので慣れれば問題無いかもしれない。


初回起動時はすでにペアリング待ち状態となるが、両ヘッドホン外側を同時にタッチ&ホールド(7秒くらい)することでペアリングモードとなる。ペアリングモードとなると「You are ready to pair」という音声が流れる。アプリからペアリングモードにする事も可能。

周囲の音を聞き取りたい場合は「Engage」(エンゲージ)というモードが使える。これはヘッドホンの片側をタッチしっぱなしにすることで、音源ボリュームをゼロにすると共に、外の音を増幅して聴くことができるというもの。このモードでは自分の声も含めて外の音が増幅される。そこまで綺麗に増幅するわけでは無いが、咄嗟に「今の何の音だ?」なんて状況で外で何が起きているのか聞くにはいいかもしれない。


これとは別に専用アプリ(Android/iOS現在どちらもベータ版)を用いることで、外の音を増幅する状態を保ちつつ、音源も普通に再生する「Blend Mode」(ブレンドモード)が存在する。そちらはアプリの方から有効化できる。

ヘッドホン同士を頭一つ分引き離すと、右側のみで音楽が再生され、左側で再生が停止する。これは音源を流すデバイスの位置とは関係ないようで、つまり右ヘッドホンが「親機」ということかもしれない。どうせ左右で分けれるのだから、友達と一緒に音楽をヘッドホンで聴く際などに両方から流せるようであればなお良かったかもしれない。頭をくっつけなければ聞こえない状況はそれでまた(ヘッドバンドやケーブルの制約によりそうしなければ音楽を共有することができなかった過去のヘッドホンやイヤホンの時代のように)人を繋げる役割とも言えるかもしれないが…。音楽を共有したい場合は後述のスピーカーモードの方が意味があるかもしれない。


音質



音質に関して専門家ではないので参考程度に聞いて欲しいが、Sound Headphonesは低音が強調される感じがある。Sennheiser HD598と比較してもそう感じるし、HD598の方が全体的に良い意味でまんべんなく聞こえる感じ。だからといってSound Headphonesの音質が悪いと感じることは無く、普通に悪くない(音質に関してこんな説明しかできなくて申し訳ないが)。

耳を全体的に覆う機構ではあるが、一応半オープン型と言っても良いだろうし、加えてスピーカー機能もついていることもあり、音漏れに関してはオープン型であるHD598よりも漏れる感じだ。なので公共交通機関などの人口密集地ではあまり大音量で流すべきでは無いだろう。


また、専用アプリを用いることで、ヘッドホン同士をくっつけた状態でこれをBluetoothスピーカーとすることもできる。

だがBluetoothスピーカーとしての音質はHuawei P20 Proの方が断然良い。Huawei P20 Proの方が音域が広く、特にこのサイズのデバイスから聞こえてくるのが驚きなほど低音まで流してくれるが、Sound Headphonesからは低音はあまり聴くことができない。スピーカーモードでは低音があまり聞こえないのとは反対にヘッドホンとしての使用ではちゃんと低音が聞こえるのはしょうがないのかもしれない。まあおまけ機能と言えるだろう。


翻訳機能



専用アプリからは翻訳機能を使うことができるが、その機能はイマイチ。

音声識別があまり上手くなく、特に日本語が上手く認識されていないし、日本語への翻訳もおかしい部分があった。日本語の読み上げは何故か英語訛りっぽい変な訛りがある。

だが翻訳機能には以下のような複数のモードが用意されている。

「Quick Translate」ある言語から別言語へ即座に翻訳する機能
「Group Translate」複数のヘッドホンユーザーと翻訳を介したグループ会話
「Speaker Translate」スピーカーモードで2言語間翻訳


対応言語は英語、アラビア語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、「Chinese Simplified」(簡体字中国語)、「Chinese Traditional」(繁体字中国語)となっている。中国語には詳しくないが、音声で翻訳するのに簡体字と繁体字で分けるのってなんだろう。Mandarin Chineseと Cantoneseとかなら判るが…。


その他諸々~現時点で未搭載の機能も


いまだAndroid/iOSアプリはベータ段階で、一部に「Feature coming soon!」の表記が見られる。


また、詳細スペックも不明で、外箱の表記ではこれまで説明してきた機能も大雑把に説明されているが、通常見られるようなバッテリー容量やBluetoothバージョンなどの詳細は記されていない。

バッテリーは「with a large battery to power your day」という曖昧な表記のみ。Indiegogoキャンペーン時にはバッテリーは12時間以上としていたが、サポートページを見る限りでは、音量50%では9時間バッテリーが持ち、280mAhのバッテリーが搭載されているとしている。満充電には2時間かかり、30分の充電では~1.5時間のバッテリーとなる。

キャンペーン時には他に、音域は20~20KHz、ノイズアイソレーション機能も搭載し、Bluetoothは4.1としていた。まだ動画に見られるトラッキング機能や、ノイズキャンセリング機能と思われる「Fade」は実装されていない。

サポートページを見ると、音域は20Hz – 20KHzとキャンペーン時の宣伝通り、Bluetoothバージョンは4.2、コーデックサポートはAACとなっている。翻訳言語に関してはキャンペーン時は「現在のところ8カ国語対応」としていたが、外箱では13カ国語対応と増えている。

まあ製品化に3年も掛かれば詳細も色々変わっているだろうが、基本の機能は確かに作られているものの、やっぱり詳細部が気になるし、サポートページにひっそりとしか記していないのは残念。まあ確かに宣伝通りのバッテリーではないが(そしてノイズキャンセリング機能もついてくれることを切に願うが)、ちゃんとワイヤレスヘッドフォンとしては完成品を届けることができたのだからその辺も堂々と公式サイトに記してくれれば良いのに。


まとめ



2017年半ばという発送予定を2年超過し、キャンペーンから3年で製品化。クラウドファンディングに遅れはつきものというのは紛れもない事実であろう。計画見込みが甘すぎたのか、製造に思わぬ困難に直面したのか、計画通りに事を運べるのは一部のキャンペーンのみだ。それでもこれは褒められたものではない。

Sound Headphonesのキャンペーンに関しては、私の紆余曲折を経た出資~キャンセル~キャンセル覆しも褒められたものではないだろうが、やはりキャンペーンから資金調達後暫くはHuman Inc.そのものが極めて怪しく、プロジェクトの実在すら定かでは無かったという点においては今も断言できることだ。その怪しさを良い意味で裏切り、完成された製品を届けたHuman Inc.には拍手を送りたい。

製品のかっこよさ、そして、AirPodsのような機能性。まさに未来的なヘッドホンだ。

個人的に「耳の穴に突っ込むのは綿棒だけ」(綿棒も入れない方が良いと言われるが)という人であり、インナーイヤーのイヤホンには抵抗感を感じると共に、実際使用すると不快感を感じる。そのためこれまでもオンイヤー、もしくはオーバーイヤーのヘッドホンを中心に所有してきたし、耳を塞がないことが売りのAmbieもレビューした。

日常使いでお気に入りはオンイヤー・オープン式のKoss Porta Proだったが、ケーブル断線により、同じくオンイヤー・オープン式のSony MDR-S40を購入、使用していた。そこでもやはり煩わしさはケーブルにあり、また現在メインで使用するスマホHuawei P20 Proにはヘッドホンジャックが無いこともありしばらくMDR-S40も使用していなかった。

そんななかでようやく3年の時を超えやってきたSound Headphonesはこれらを十二分に置き換える存在だろう。


前述のKossやSonyのヘッドホンと同じく小ぶりであり、なおかつケーブルもヘッドバンド部も無いため全体的なシルエットとしてはより小さい。ヘッドバンドがないので髪が絡まることもないし、音質は悪くない。音がダダ漏れなのはそれらと同じ欠点ではあるが、同時に外の音が聞ける安心感もあるし、増幅機能もある。

オンイヤー式のヘッドホンであれば耳が圧迫されて頭が痛くなったりするが、これは耳掛け的な仕組みのためそういうこともない(少なくとも2,3時間つけっぱなしでいても痛くならなかった)。

充電ドックもドック部は十分小さいが、ケーブルがドックから出ているのは残念。特にバッテリーが9時間となれば旅行に行くにはドックも運ぶ必要があり、ヘッドホンとして使用する際にはワイヤレスの利点を満喫できるが、カバンの中ではドックのケーブル問題が出てきてしまう。できることならドックにUSB-Cポートがあいていて欲しかった、そうであれば手持ちのVOLTAケーブルを使用できるので。

あとはノイズキャンセリング機能さえ付加されれば私の使用法には完璧だ。


(abcxyz)

立ちっぱなしじゃ辛い状況の救世主かも…500mlボトルサイズからサッと展開可能な腰掛けSitpack Zen

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今回は私が以前Kickstarterで出資したMono+Monoによる折りたたみ式腰掛けSitpack ZEN(-XI)のレビューをお届けしよう。

これは500mlボトルサイズに畳み込める携帯腰掛け。何時間も心地よく座るには適さないが、座るところが無い状況で気軽にササッと展開して腰掛けるには最適のガジェットだ。

なお同ブランドは現在、クラウドファンディングサイトMakuakeにて日本向けに新たなキャンペーンを開始、本記事執筆時点ですでに目標金額の900%を超える900万円以上を集めている。本投稿で興味を持たれた方はそちらも確認するとよいだろう。



Sitpack Zen




(動画はMakuakeキャンペーンより via YouTube

Sitpack ZenはデンマークのMono+Monoによるプロダクト。時をさかのぼること2014年にKickstarterから世に送り出した「Sitpack - The world's most compact foldable seat. Rest easy.」キャンペーンがこの製品の元祖となる。同社は後にこれを改良し、2017年末にKickstarterキャンペーンが行われたこの同社2度目となるキャンペーンでは開始からわずか6.5時間で目標金額を達成、最終的には50万ドル(約540万円)以上を集める大成功を収めている。

この時のキャンペーンでは、フレームがアルミニウム製のSitpack Zen-XIと、カーボンとアルミニウム製フレームのStipack Zen-XIIがリワードとして提供されていた。どちらも150kgまでまでの重量をサポートするが、本体の重さが異なり、XIは460g、XIIは360gとなっている。


今回レビューするものはこのうちXIで、2017年に出資して今年3月ごろに届いたものだが、このときから既に日本での展開も考えていたのか日本語でも免責事項などの説明が既に記されている。


折り畳み状態からの展開



展開・収納はこうしてみると5段階もあって難しそうに見えるかもしれないが、やってみると簡単。


折り畳んだ状態では4.5cm x 4.5cm x 22.2cmの筒状。500mlペットボトルサイズだ。


展開時に座面となる部分はこのように肩掛け式のストラップとなる。


ロック構造は特許取得済み。ツイストして伸ばすと垂直方向に白い線が出てくる。これらの線が揃っていない状態はロックされていない状態で、揃っているとロックされる。また、めいっぱい引き出されたことを示す平行線が存在し、垂直線と接して「T」字状になっている。これらの記しは視覚的にわかりやすい。体重をあずける道具だし、きちんとロックされていないと危ないのでこれがわかりやすく記されているということは重要なことだ。


展開する筒の中で根元に一番近いものは、5cm刻みで三段階調整可能となっており、ここで高さ調整を行う。これにより身長4~7feet(約122cmから213cm)までに対応するとのこと。最大に伸ばした状態では筒が90cmまで伸びる。筆者は身長174cmで、一番長い設定か二番目の設定がちょうどよい(地面の材質/状況や微妙な座る姿勢により調整している)。


地面に触れる部分は円錐型に等高線状に突出部のあるエラストマー製の部材となっており、多少の弾力性と高い摩擦性をつ。この部分の本体側には展開/収納時に用いるコインエッジ状に溝のついた部品がある。

筒の展開はいちいち各パーツをアンロックして伸ばすのではなく、溝のついた部品をつまんで一度に「ガガガガッ」と四つの節をアンロックしてから「スルスルスルスル」っと中を引き出すと手早いし気持ちいい。ロックも同様に好みの長さに伸ばした状態から一度に「ガガガガッ」と可能。でも腰掛ける前に全パーツがロックされているか確認するのを忘れずに。収納時もこの「ガガガガッ」、「スルスルスルスル」、「ガガガガッ」で気持ちよく片付けることが可能。


腰掛ける部分は左右に開くサポート材を展開して、それを座面両端のフック部で固定する仕組み。だがここもよく考えられている。


固定部が外れてしまわないよう、筒の下側からサポート材両端へとわずかな遊び(長さ的な余裕)を持って延びるストラップを、リング状のパーツを上方にスライドさせることにより遊び部分を解消するのだ。


するとストラップ状態では肩掛けパッドとなっていた部分が横幅37cmの座面となって現れる。


座面は前後幅が7.7cm(当初は5.7cmだったがストレッチゴール達成により拡張された)。

初めて展開するには少々時間が掛かるかもしれないが、慣れれば展開に15秒とかからない。


腰掛けてみる



腰掛ける際には、Sitpack ZENが尻の下に来るようにして、脚とSitpack ZENでバランスを取る感じ。一度良い座位置を見つけたら安定する。


ここまでSitpack ZENには「座る」ではなく「腰掛ける」という言葉しか使用していない(尻を置く部分として「座面」、「座位置」という言葉は使ってきたが)。これは、Sitpack ZENが体重を完全に置くための安定した「座る」道具では無く、より一時的に尻を通してもたれかかり体重を分担させるための道具であることを強調しようとしてのことだ。この意味でSitpack ZENは典型的な椅子よりも、「座面がなくポールでできたバス停の腰掛け」と言った存在や、「壁にもたれかかる」行為などに近いだろう。

また椅子であっても、3脚の椅子(例えばアルヴァ・アアルトによるArtekのStool 60など)や、座面が丸みを帯びた背が高く背もたれの無いカウンターチェアにはSitpack ZENと通ずるところはある。3脚の椅子では体重を置く方向を間違えると転倒するが、それと同様に、体重を完全に自分の脚とSitpack ZEN-XIに任せてしまうと、傾く方向によってはバランスを崩してしまう。つまり利用に際してある程度自分でバランスを取らなくてはいけない点があるのだ。なのでバランスを取るのが難しい方の使用には注意しないといけないし、(カウンターチェアも同様に)フラフラしてきた時の使用にも注意が必要だろうし、これに腰掛けたまま寝ると倒れてしまうことだろう。

腰掛ける感じとしては先にも例として出した「座面がなくポールでできたバス停の腰掛け」に近いが、堅い金属製で、横向きの円柱状のそれと異なり、Sitpack ZENにはまがりなりにも「座面」が存在するので、腰掛け心地はSitpack ZENの方が格段に優れている。これは座面が柔軟性とある程度の幅を持った生地であり、その分バス停の腰掛けと比べて体重を受ける面積が広いからだろう。

高さの調整に関しては、尻の位置に来るように設定すると良い。あまり地面が滑りやすい状況では使わない方が良いだろうが、例えば我が家の木製フローリングでは角度を持って使うと微妙にSitpack ZENの接地部がずれてくるので、このような状況ではなるべくSitpack ZENが垂直に近い位置で使うようにすると良いかもしれない。


(一番低い設定で座ったところ)
より低い設定でも座れないことはない。


携帯式の椅子とはまた違う



比較する対象としてはやはりアウトドアショップなどで販売されているような一般的な携帯式椅子となることだろう。それらは完全に体重を任せて長時間座るのにも使えることだろう。しかし対するSitpack ZEN、「携帯できる腰掛け」というのは、立つのが疲れる時の助けになる他、携帯式の折り畳み椅子と異なる利点もある。

携帯式の椅子は地面に近い位置に座ることになる。そのため視点が低くなり、行列待ち中などで周囲の人々が立っている状況などでは周りが見えなくなるし、自分の顔が人々の腰あたりに来るといった気まずい状況(例:顔面にオナラされるなど)となることもある。加えてそれらの多くは一般的な椅子よりも座面位置が低いため、混んでいないが開いた席の見つからないような電車内などで(日本の電車内でこれが許容されるかどうかは別として)使用するにも床に座り込むのと同じくらい視点が下がり、変に気まずかったりする。Sitpack Zenがあればどちらの状況でもほぼ立った状態と変わらず、「座り込む」という気まずい動作を伴わない。

また携帯式の椅子では座る際に膝を曲げることとなるため、より広い範囲を使用してしまうことになる。Sitpack ZEN-XIも普段は二本の脚で立つところを傾斜して3脚立ちすることになるため、何も使わず立つのに比べれば広い範囲を取るが、それでも体は全体的に縦方向に位置することになるため、使用角度によっては椅子式のものと比べ使用範囲が狭くすむ場合もあるだろう。


まとめ




旅行やイベント、その他長時間立っていなければいけない様々な状況に何かと便利な腰掛けだ。スタンディングデスクなどで働いていて、たまに足の疲れをどうにかしたいなんて時にも良い。

私はもっぱら室内でスタンディングデスクで脚が疲れてきたときに使っているが、時々バス待ちや、待ち合わせの時になかなか待ち人が来ないときなど「あぁSitpack ZENを持ってくれば良かった…」なんて思ってしまう。それもまあ筆者が面倒くさがりで忘れっぽいだけで、500mlボトルサイズに小さくなるから大抵の外行きバックやバックパックには入るし、バッグに入らなかったら肩掛けできるのも良いところ。

そんな、ちょっと腰掛けたいときに小さく携帯、サッと取り出して使えるのがSitpack ZENだ。


Source: Kickstarter

(abcxyz)

あのスマートな自動巻き腕時計の最新版!アクティビティトラッキングと環境配慮に特化して戻ってきたSequent SuperCharger2:プロトタイプレビュー

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自動巻き腕時計と同様に腕につけているだけで着用者の動きからパワーを蓄え、バッテリーを換える必要も、充電する必要も無いスマートな腕時計…。そんな夢のような腕時計の最新モデル、スイスSequent社のSequent SuperCharger2がKickstarterでキャンペーンを開始。既に目標金額を400%以上超える20万CHF(日本円で約2100万円)の出資を集めている。

今回は同社よりSuperCharger2 Premium Versionのプロトタイプモデルを提供戴いて居るので、これをレビューしていこう。ただしあくまでもプロトタイプモデルなので、製品版とは細部が異なる可能性があることをあらかじめお断りしておく。



Sequent



スイスのツーク*に本社を置くSequent社のSuperChargerが世界初の自動巻きハイブリッドスマートウォッチとしてデビューしたのが2017年。毎日充電しなければならないようなスマートウォッチが(2,019年である今でも)一般的な中にあって、自動巻き腕時計と同じくローターを内蔵し、日常的な腕の動きによってローターが回転することでパワーを貯めて稼働し、そのため充電の必要が一切無いという革新的なスマート腕時計だった。当初行われたKickstarterキャンペーンでは1,043,330スイスフラン(現行レートで約1.12億円!)を調達し、その後もIndiegogoで大きな成功を収めた。日本のメディアでも取り上げられてきたのでご存じの方も少なからずおられるだろう。



あれから2年…。Sequent社は新作SuperCharger2をひっさげてKickstarterでキャンペーンを開始した。スイス開発の独自の自動巻き機構はそのままに、初代の持っていた通知機能を省き、よりフィットネストラッキングに特化したほか、世界初であるユーザーの運動が独自の暗号通貨「SQ coin」を生成するという点も見所となっている。また、製品自体は海を漂うプラスチックゴミをリサイクルした部品が使用される他にも、「CO2 Saver monitering」などの機能を備え、環境への配慮に重点を置いている。デザインももちろんスイスで行われており、既にSuperCharger2はRedDotデザインアワード2019を受賞している。

*スイスのツーク:Blockchain Bizの記事によれば、ツークは仮想通貨、暗号通貨(クリプト・カレンシー)が盛んでスイスの「クリプトバレー」とも呼ばれているようだ。


開封



なお、今回レビューするのはあくまでもプロトタイプ。一応開封写真も載せるが、パッケージは初代SuperChargerのものが仮パッケージとして使用されているもの。なのでSuperCharger2のパッケージはこれとは異なる。




ケース



42mmのケースは316Lステンレススチールと、「航空用アルミニウム」という二つの素材を組み合わせたもの。アルミニウム合金であるジェラルミンかと考えたが、聞いてみたところ、アルミニウム表面に陽極酸化皮膜処理を施したアルマイトだそうだ。

後述するようにカラーバリエーションも様々に存在するが、こちらは青とシルバーで全体を統一し、エメラルド色のアクセントが目を惹くモデルだ。


ドーム状の美しい風防はサファイアクリスタル製。初代SuperChargerは唯一残念なところが(サファイアクリスタルと比較して)傷のつきやすいミネラルガラスが採用されている点であったことから考えても順当な進化だ。


横から見ると中央部と下部に青い素材が見える。シルバー部分は鏡面仕上げとなっているが、青の部分は艶消し仕上げがなされている。この青い部分がアルマイト製で、特殊なサンドブラスト加工を行うことで光沢のある美しい表情を出している。公称ケース厚は12.10mmで、風防頭頂部まで含めると14.70mmとなる。


裏はシースルーとなっており、ローターの回転を目にする事が出来る。一般的な自動巻き時計とは少し異なるのは当然だが、それでもやはりローターは歯車を回転させて内部のバッテリーを充電している。


そのためもあり、中央ローター下部には自動巻き腕時計と同じように人工ルビー製と思しき穴石が3つ見て取れる。


ローターに刻まれた溝には歯車の歯のような刻みがあるが、これは初代SuperChargerのローターにも存在する意匠だ(このプロトタイプ版に使用されているのは初代SuperChargerのものなので当然かもしれないが)。プロモーション動画からすると製品版にはローターにSequent社のロゴも刻印されると考えられる。

なおローター部分はまだ製品版に向けてかなりの改善が加えられるとのことだが、なので今後詳細が変更される可能性もある。今のところ、フル充電された場合のパワーリザーブはなんと781日とのこと。


一般的な腕時計と同じく3時位置に竜頭が備わっている。このレビューの写真の中には一見ねじ込み式の竜頭をねじ込み忘れたかのように見えるものもあるかもしれないが、これは押し込むことができる仕組みのため本体から少し飛び出しているからだ。この竜頭は時刻を調整するためのものではなく、スマートフォンとの接続に際し使用するようになっているのだ。

竜頭頭頂にはSequent社のロゴがあり、側面にはゴムのような滑り止め素材がついている(このことからすると竜頭を回すことに何らかの機能が付加されるのかもしれないが、竜頭部分はプロトタイプモデルと最終版では異なるとも言われたのでなんとも言えない)。


竜頭の反対側には銀色の2つの点が。これは腕時計のアクティベーションやファームウェアアップデートなどの重要なオペレーションを行う際に使用するチャージ用コネクタだ。

防水性能は50ATMとなっているのも心強い。


バリエーション




上はPremium Versionのカラーバリエーション。サムネイルでは見づらいかもしれないが、文字盤が透明なモデルも存在するので要チェック。Premium VersionのKickstarterキャンペーンリワード価格は229米ドルから(透明ダイヤル版は249ドルから)、一般販売予定価格は299ドルとなっている。

今回のレビューモデルはPremium Versionだが、これとは別にSport Versionというのも存在する。そちらは性能としては変わらないが、ケースは航空用アルミニウムのみを使用しており、風防はミネラルガラスを使用している。



こちらがSport Versionのバリエーションとなる。Sport VersionのKickstarterキャンペーンリワード価格は179米ドルから。一般販売予定価格は399ドルとなる。

保証に関しては初代SuperChargerと同じく1年間の基本的な国際保証付がつく。

なお日本のデジタルガジェットファンには嬉しいことに、日本の技適も取得予定となっている(Sequent社は初代SuperChargerでも取っていた)。


文字盤



このモデルの文字盤は青地。実はこの文字盤はリサイクルプラスチック製だ。しかもただのリサイクルプラスチックではなく、海洋プラスチックゴミをリサイクルして作ったもの。

これはスイスの会社が提供する海洋プラスチックリサイクル素材を用いたものだ。この会社によれば海には毎年800万トンのプラスチックゴミが廃棄され、汚染を生み出している。

同社は様々な団体と提携しており、世界の海で回収された海洋プラスチックゴミをスイスでリサイクルする(海の無いスイスでリサイクルするのはなんとも皮肉なことだ)。通常海洋プラスチックゴミは海水と紫外線への暴露により耐久性が弱くなっているのだが、同社とスイスのラッパースヴィル応用科学大学材料工学・プラスチック処理インスティテュート(the Institute for Materials Technology and Plastics Processing, Hochschule für Technik)とが共同開発した特殊な技術によりこれを克服し、リサイクル可能な素材へと作り替えることができるのだ。

そんな青い文字盤の中の要素は、シルバー色のバー状アプライドインデックスと、同じくシルバー色の時分針、そしてエメラルドグリーンの機能針(勝手につけた名前)。


時分針は中抜きがされており、機能針がどの位置にあっても可視性を保つ。分針は先にカーブをつけた上品な仕上げ。


機能針は中心から僅かに6字方向よりの位置から伸びており、高さ的には時針よりも低い位置に存在する。そのため時分針のようにぐるり一周することはできない。機能針はアクティビティトラッキングでいえば自らの目標に対してどれだけの成果を示しているのかの指標であると共に、スマホとの連携時にはこの部分が動いて状態を示す役割も持つ。機能針の外周部分は白とエメラルドグリーンが線を描き、目標に対する現在までの経過を見せる。その線を避けるように5,6,7時のインデックスは短めになっている。

そのほかには12時方向にSequent社のロゴと社名、そして機能針の下にSuperCharger2の名称が記されている。


ストラップ



ストラップもまた先の会社の海洋プラスチックゴミリサイクル素材で作られている。ベースとなる繊維の水色に白い繊維が長さ方向に縫い込まれ、バックルとバックル穴の部分はエメラルドグリーン色のゴム製素材。


クイックリリース式となっているので付け替えは容易。

艶のあるシルバーの金属製バックルは特許取得済みのピンシステム。ストラップの両方に先端の丸いピンがついており、これを穴にはめることで取り付ける。多分ピンが一つしかなければ意図せず外れることもあるだろうが、二つついていることでシンプルな仕組みながらしっかり固定できる。


他のタイプの時計ストラップでは時折腕の上で回転してしまこともあるが、二つのピンに加えてストラップ繊維が均一である程度の堅さがあることもあり、きちんと腕の上面に時計部が固定される。


16~17cmほどの私の手首径では、時計6時方向からでるストラップの方は小さい方から二つ目、時計12時方向のストラップ側は3つ目の穴(このプロトタイプでは穴が一つづつずれる)で丁度良く収まる。きつすぎること無く、なおかつずれること無く、空気の通り道も十分確保されている。


一般的なストラップに慣れた身としては、両方のピンを穴に入れないといけないというのに最初は戸惑いを感じたが、数度の使用で慣れることができ、慣れれば簡単に脱着できるようになった。

なおバックル部分については、製品版ではこのプロトタイプモデルよりもより脱着が容易になるようへと変更されるとのことだ。


スマート機能



アプリケーションの方はまだ未完成の部分があり、レビュー記事執筆中に全機能を使えたわけでは無い。

スマートフォンとはBluetoothで接続する。時計の竜頭を二度押し込むと接続モードになる。スマートフォンに接続すると機能針がツツツツと緑色の外周部に動く。

基本的な機能としては、スマートフォンの時刻とSuperCharger2の時刻の同期がある。一般的にスマートフォンはNITZという仕組みを用いてネットワークから提供された時刻を使用することで正確な時刻を保つ(ことができる)ようになっている。SuperCharger2は正確な時刻情報を受信しているスマホの時刻と同期することにより、正確な時刻に合わせることができるというわけだ。

これまでこのプロトタイプを使用した限り、SuperCharger2は常時スマホと接続する形態のデバイスでは無いようだが(だからといって数日使っていても時間がずれるわけでも無い)、アプリを開き二度竜頭を押してスマホと同期するだけで時間がシンクロナイズされる。


海外への出張、海外旅行などの際にスマートフォンが自動的に現地の時刻を取得するのを経験した方もおられることだろう。この際にもSuperCharger2をスマホとシンクすれば、時計がそれに合わせ自動で変更するというのは、手動で時計を合わせるより間違いが無く確実だし、時差がおおきければ大きいほど自動の方が楽だ。


シンクロナイズされるのは時刻情報だけでは無い。SuperCharger2にはアクティビティトラッキング(万歩計機能)もついており、このような情報もシンク時にスマホ側に共有されるようだ。他にも、初代SuperChargerと同じく、GPS位置情報記録(要スマホ)を備えたスポーツトラッキングも備えるほか、睡眠の質の計測も行えるようになるようだ。

個人的に興味深い機能として、「CO2 Saver monitering」という個人のCO2削減量をモニタリングする機能も搭載予定。こちらはアルゴリズムから作ることとなっており、現在未だ開発段階となっている。

更に今回新たに生み出されるSequent社独自の暗号通貨「SQ coin」というのも興味深い存在だ。これは、時計をつけて計測した自らのアクティビティを、健康&環境関連の製品やサービスに使用できる通貨にするというもの。一体どのような製品やサービスに通貨が使えるのか、何歩でどれくらいの価値の通貨となるのか、そして振動する物に時計をくくりつけて通貨を増やそうとするような行為にどう対処するのか、などなど興味は尽きないが、詳細は現在のところ未公開。未だこの部分も開発中であり、Sequent社曰く「複雑なトピック」であることもあり、詳しい情報はもう少し待たなければいけないようだ。


まとめ



化石燃料に頼らないエネルギー、再使用可能な、循環型のエネルギーに注目が集まる昨今。デジタルガジェットとしてのスマートなフィットネストラッカー機能はそのままに、バッテリーを入れ替えることも充電することも無く、「自分の動きで機械が動く」という自動巻きムーブメント腕時計の楽しさを合体させたSequent SuperCharger2。

初代SuperChargerについていたスマホの通知を知らせる機能が無くなったことを残念に思う人もいるであろうが、フィットネストラッキングの他にもCO2削減モニタリングや暗号通貨が貯まる機能をつけたというのは面白い。暗号通貨がどのようにして貯まり、どう活用されるか具体的なことも早く知りたいところだ。

気になる方はSequent社のウェブサイトまたはKickstarterキャンペーンページをご参照あれ。




Image courtesy of Sequent

Source: Kickstarter

(abcxyz)

ヒュッゲなひとときに手首を飾る、デンマークの腕時計LLARSENレビュー

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「ヒュッゲ」と言う言葉が最近日本でも流行った北欧デンマークからLLARSENの腕時計「Josephine」をレビューしよう。北欧デザインらしいミニマリスティックな美しさに実用性を併せ持つ、ヒュッゲなひとときに手首を飾る小ぶりの腕時計だ。



LLARSEN




LLARSENは2012年デンマークのSvendborgという街で生まれた。LLARSENというブランド名になる以前は「LARS LARSEN」(ラースラーセン)という名で腕時計を作っていた。このLARS LARSENという名は、二人の同姓同名の人物を指す。一人は、1919年に腕時計を作っていたLars Larsenという人物。そしてもう一人はその孫であり、このブランドを作ったLars Larsenだ。



シンプルな中に美しさを見いだすダニッシュデザインを特徴とするLLARSENだが、実は製造もデンマークで行っている。サファイアクリスタル製の風防も、文字盤もデンマーク製だとのことだ。

またLLARSENの時計には(日本の販売店から販売されているものはどうか知らないが)、バッテリーとストラップを除く時計部は限定ライフタイム保証(limited lifetime warranty)がついている。これは使用による経年劣化は対象にならない他、不適切な扱い(衝撃など)などは対象外だし、LLARSEN指定の会社以外が修理やメンテナンスした場合も対象外。だが保証対象となる場合は送料を負担してくれ、修理もしくは同等の時計と交換となる。


開封



化粧箱はトップがコルクとなっており、下部はシルバーの紙箱。


開けるとこの通り。箱内側は蓋・本体共に起毛生地となっている。


国際保証書は、裏面は紙だが表面は箱上部とおそろいのコルク張り!

それでは早速「Josephine」コレクションから、モデルナンバー「144SWD3-SSTONE18」をレビューしていこう。


ケース



ケースは316Lステンレススチール製で、艶のある仕上げとなっている。無駄を排したシンプルな形。風防は複数層の反射防止コーティングがなされたフラットなサファイアクリスタル製。


ケース径は37mm。ケース厚は6.8mmとかなり平たい。こうして台に乗せ側面から見ると、ラグで自立してケースの裏蓋部分は台から浮くことも判る。

ただでさえ薄いケースだが、トップも風防側面から傾斜を帯び、下部も小さめの裏蓋の端から傾斜を帯びており、数字上の厚みよりも更に薄く感じさせている。このことからケース径も同様に小ぶりに感じられ、実際に37mmの径を持っているのはラグと竜頭の出る中央部分のみとなっている。


はめ込み式のケース裏蓋にはデンマークの国章である王冠を被ったライオンが。


Image by: Kongeriget Danmark, file made by Galico, CC BY-SA 3.0

国章のライオンは三匹だが、ここには一匹しかいない…?いやいや、時計全体としてみると三匹ちゃんといますのでご心配なく。ライオンの周りにはハイグレード・ステンレススチール製、デザイン&メイド・イン・デンマーク、LARSEN WATCHES(これはブランドの旧名だ)、そして3ATMの防水表示などが。


竜頭は、時計部に向かい僅かに先細る形状。側面はコインエッジとなっており…


竜頭の頭頂部には二匹目のライオンが。


ストラップを外すと裏面の両ラグの間に溝が見える。付属のストラップはこの溝が無くともケース裏に触れることは無いが、取り付けるストラップによってはこの溝によりケースとストラップが直接触れあわないようになるかもしれない。

使用ムーブメントはSEIKO TMIの「VJ20」。Slim / Small Movement(スリム/スモール・ムーブメント)に区分されるクオーツムーブメント。TMIによれば、通常の気温域(動作気温域は-5度~+50度)での使用では精度誤差はひと月に20秒。バッテリーはボタン電池のSR621SWで、バッテリー寿命は約3年。


文字盤



文字盤も必要以上の要素は排したシンプルな作り。


文字盤の輝きは真珠のような色合いにも感じられる。よく見ると文字盤はサンレイ仕上げとなっているのだが、多くの同仕上げの文字盤と比較して控えめに光を反射しており、上品さがある。ロゴはブランド名を明確に示しながらも主張は強すぎない。


インデックスはバー状のアプライドインデックスとなっている。インデックスは艶があり、サンレイ仕上げ文字盤の反射率と相まって可視性が高くなっている。


針は時分秒の3針。どれもブルーペイントされており、青が透けて反射し美しい。時分針の形状はリーフ型。

秒針はスモールセコンドとなっており、中心から6時方向寄り。スモールセコンド部分にはレコード状の小さな溝がつけられているほか、インデックスとして5秒刻みに印がつけられ、60/15/30/45の部分にはアラビア数字も記されている。


文字盤6時位置には「MADE IN DENMARK」の記し。

なお、Josephineコレクションにはこの銀色インデックスに青い針の「144swd3」モデルの他に、インデックスも針もゴールド色の「144swg3」モデルも存在する。


ストラップ



ストラップは柔らかい手触りの子牛皮製。幅は18mm。クイックリリース式となっているので好みのストラップに付け替え可能。

なおLLARSENは各モデルに合わせたストラップも様々に用意している。例えば今回レビューのJosephineは18mmのストラップ幅なので、ストラップページから「18mm Josephine, Helena」を選択。次のページでバックル金具の色を選択し、最後にストラップの色・材質を選択することで、追加のストラップを購入。クイックリリース式のストラップなので気軽に付け替えて組み合わせを楽しむことができるというわけだ。


ストラップは9種類から選択可能で、子牛皮製のものの他にスティールメッシュ製のものも存在する。レビューのものは「SSTONE18」。


縫い目のない半ヘリ返し仕立てで、上の面と側面はひと繋がりの素材となっている。この仕上げは見た目には良いが、側面部の耐久性に関しては少々心配が残る。裏側にはLLARSENのロゴの刻印も。


バックルには三匹目のライオン!紋章のライオン3匹がきちんと全て一つの時計に入っているのは遊び心があって楽しいし、デンマーク好きな方にも受けるだろう。


この腕時計のコレクション名からもうお気づきの方もおられると思うが、今回レビューしているのは女性用モデルだ。筆者は男性だが、なぜ女性用モデルをレビューしているかというと、私の16~17cmの手首周りにはケース径が40mmよりも小さい腕時計の方がサイズ的に丁度良いからだ。男性だからと言って大きな手首を持つ人ばかりではないし、国による男性の腕の太さにも傾向がある。そんな中でもここ数十年の"男性用"腕時計のケース巨大化の流れを受け、今も40mmを超すケースが「男性用」とされ、旧来男性用であった小さいサイズのケース*が「女性用」と言った具合に、サイズが性により指定され分け隔てられている状況を快く思わない。

例えば、ドイツの腕時計ブランドSTOWAなどは完全に性による製品分けを廃し、純粋にケースサイズのみで製品を分けている。そんな中にあって男女の性的格差が世界的にも低いとされる北欧諸国のブランドですらも、着用者の手首サイズでは無く、性によって分けるところが少なくないのは不思議で仕方が無い。(なお世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数2018」ではデンマークは13位。比較として;アイスランド1位、ノルウェー2位、スウェーデン3位、フィンランド4位、ドイツ14位、日本110位。)

特にLLARSENのようにシンプルさの中に美を見いだす時計は、装飾スタイルによる違いで男女製品を分け隔てるブランドなどとは違い、実質的な「男性用/女性用」の違いはサイズにしかない(LLARSENの場合それに加えてコレクション名も違うが)。ただし、LLARSENは男の私が女性用コレクションをレビューしたいと提案した際に快く了解してくれたことは記しておこう。この事からすればもしかしたら男性用・女性用という区分けは時計業界に残る慣例的なものであり、LLARSENもまたその習慣に従い性による製品分けを行っているが、どちらの性がどちらの性向けの製品を着用するかに関しては意見は無いのかもしれない。

*旧来男性用時計は20~30mm台のケース径であった。詳細はForrestレビューでどうぞ


そんなわけで、所謂「男性モノ」の腕時計をつけた場合は一番小さなストラップ穴にしても大抵微妙に緩い私の手首にも、この腕時計はピッタリはまる。そしてなお4つも小さい方向に穴がついているのだ。


なお妻がつけるとこんな感じ。


まとめ



本家LLARSENから購入の場合、価格は199ユーロ、記事執筆時のレートで約2.4万円。製造をデンマークで行っていることも思慮に入れれば、クオーツ式のファッションウォッチとして相応の価格だ。国際発送は無料となっている。

日本のサイトからお買い求めになりたい場合はLLARSEN.JPからどうぞ。同サイトには日本国内のLLARSEN取扱店舗一覧も掲載されている。

いかにも北欧デザインらしいシンプルさの中に見る美しさ。そこには、時間を認識するための道具としての機能性を保ちながらもファッション時計としての存在も両立している。クオーツであり、そのため薄く軽い時計部であるということも、時間がずれる心配をせずに、また着用していることを意識すること無く、機能を両立させる上で役立っていると言えよう。

LLARSENは、「仕事の時間、家族の時間、楽しむ時間」などという伝統的な時間の区分けとは異なる、デンマークの都市部の時間感覚に合った時計作りを目指すとしている。それは、時間の区分けが消え去り、カジュアルながらも楽天的なものだそうだ。そのようなデンマーク都市部の人々にとっては、時計は時間を管理するための道具としての意味合いよりも、時間を受け入れ、時間を楽しむための道具としての意味合いが大きくなっているという。

時間に管理されず、時間を認識して、限られた時間を「ヒュッゲ」に楽しむ。そんなひとときに手首を飾る腕時計だ。


Source: LLARSEN, YouTube

(abcxyz)

残暑を体幹から吹き飛ばせ!極小ハンズフリーファンblö提供レビュー

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Kickstarterで以前46万ドル以上(約5000万円)の資金を調達、当ブログでも紹介したアメリカのblö。小型で、クリップにより衣類に取り付けて体を体幹から冷やすファンだ。製品を提供いただけたのでレビューさせていただく。



筐体



本体は手持ちサイズの扇風機から羽根を取り除いたかのような形状。


直方体から斜め情報に円柱が生えてきたような形で、直方体の平べったい側両面から上下方向にクリップが生えている。


側面片側にはボタンとLED、そして反対側まで貫通する縦方向に長い穴が空いている。


先ほど「扇風機から羽根を取り除いたよう」と述べたが、じつは扇風機風の部分は送風口ではなく、吸風口。この丸い側から空気を吸い上げ、空気が出てくるのは底面の通気口だ。この構造もあり、全体的に筐体のサイズが小ぶりとなっているのだ。

吸風口の部分は、ハニカム状の穴が空いており、その中にはさらにメッシュが備わり、内部のファンに異物が入り込みづらいようになっている。吸風口中心部には「blö」のロゴ入り(実はこのロゴの配置はコンセプト案から変更された部分だ)。


そしてこちらが通気口と充電用microUSBの穴がある部分だ。


使い方


送風強度は4段階、電源ボタンを押す度に「オン>1段階目>2段階目>3段階目>4段階目>オフ」と切り替わる。

だが通常の小型扇風機のように送風口を自分に向けても涼しいとは思わないだろう。これはそういう使い方のためにデザインされたものではないからだ。

本体に二つのクリップが備わっていることは先に記したが、これを使って服に取り付けて服の中に送風するというのがこのblöの使い方だ。ただ単に服の上から送風するのではなく、効率的に直接体幹部に向けて送風することで、効率的に体の温度をコアから下げるのだ。

blöの元来の設計では、首の後ろ部分につけることが意図されている。首回りがあまり広すぎない場合はこれが一番良い取り付け位置だろう。ただし、髪がある程度の長さだと吸風口に髪が入ってしまうことがあったので注意が必要(私の場合髪が引っ張られはしなかったがファンが詰まって壊れてもいけないので)。


首の前側につけることももちろん可能。


カッターシャツにつけてみたところ。やはりこのように首の後ろにつけた場合が一番涼しく感じる。それに、カッターシャツはある程度厚さがあるので安定する。

Tシャツの下部に取り付ける場合などは、特にシャツなどが薄い場合、使用中に体を動かすとblöの重みで送風位置がずれてしまうこともあった。なので、なるべくなら衣類の分厚い部分、例えばズボンなどに取り付けると良いだろう。


ズボンに取り付けたところ。特にこちら側のクリップは大きめであるため、このようにズボン+ベルトを挟み込むことも可能。首の後ろもそうだったが、個人的には腰の後ろ側もやはり効果的に体温を冷やすことができる用に感じる。

使用時の音は公式動画によると、49デシベルから61デシベル程度。これはプロトタイプ段階の動画のようで3段階までしか調べられていない。提供されたモデルの方はと言えば、あまり静かな空間で使うには適していないが(図書館で使うには勇気がいるだろう)、屋外だったり、周囲にある程度人の話し声や車の通る音などのノイズがある環境では問題なく使えるはずだ。

本体横部分に貫通する穴はエッセンシャルオイルをしみこませたインサートを入れることが可能。インサートはリサイクルされたスズ、プラスチック、フェルトでできている。公式ではペパーミントオイルがもつメンソールが、人の冷たさを感じるレセプターTRPM8に直接はたらきかけることができるとしており、ペパーミントオイルの使用でさらに冷たく感じることができるとしている。


使用時間は風の強さにもよるが公称4~8時間。充電時には青色LEDが点灯し、充電完了するとLEDが消える。満充電にかかる時間は公称1時間15分。


まとめ



体幹を冷やすのに特化したことから、本体の大きさが他の多くの携帯型ファンよりも小さく、なおかつ羽が外に露出しない形状となっているのは利点だ。また、衣類にクリップで取り付けるためハンズフリーとなることも忘れてはならない大きな便利ポイントだ。

体温を冷やすという行為をより効率化するための使い方に適したシンプルで小型な形状は、使用時に目立たないという点でより幅広く使うことができるだろう。

様々な要因で従来の携帯送風機が合わなかったと言う人にとっては、暑さしのぎの新たな選択肢としてありかもしれない。現在購入はblö公式ウェブサイトより可能となっているので気になる方は訪れてみると良いだろう。


Source: blö, Kickstarter

(abcxyz)

月額79ドルでスイス製腕時計のデザインに携わると共にいち早く手に入れることのできるサービス、DWISSがローンチ

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アフィリエイト記事

スイスの腕時計ブランド、DWISSが本日10月1日より新たな月額制の試みを開始する。その名も「The World's First Watch Design Club」

会費を毎月79ドル支払い参加するこのクラブ、「世界初の腕時計デザインクラブ」という名称通り腕時計のデザインに携わることができるのも一つの売りではあるが、この単純明快な名称だけでは説明できない多々の特典が存在する。果たしてそれはどのようなものだろうか?



DWISS



話を進める前に軽くDWISSの説明を。

DWISSは腕時計デザイナーであるRafael Simoes Miranda氏が2011年に立ち上げたブランド。社名は「Design Watch Independent Switzerland」の略から来ている。彼のデザインスタジオはBulovaやBertolucci、CYMAなどをクライアントに持ち、デザイナーとしてはRed Dot Designなどの受賞歴もある。今までのところMiranda氏は、DWISSでIDA Design Awardsをはじめ6つもの国際的なデザイン賞を受賞している(しかもそのうちEuropean Product Design Awardは2017年から三年連続での受賞だ)。

当ブログではDWISSのRS1 AUTOMATICのレビューを行っており、DWISSの歴史とそのアイコニックな腕時計について記しているのでそちらも併せてお読みいただければうれしい。


腕時計デザインクラブ




腕時計のデザインにとどまらない数々の要素、まずは簡潔に要点を記そう。

・クラブ会員の投票により腕時計のデザインが完成する。

・12ヶ月で腕時計が完成、会員達がデザインした腕時計の会員限定バージョンが手元に届く。

・腕時計は世界の名だたるデザインコンペティションに出され、会員らはデザインチームという扱いに(なので会員はデザイン賞を実際に受賞できる可能性がある)

・会費は月額79ドル、全12ヶ月で会期終了。(計948ドル)

・完成する腕時計の一般販売価格は1390ドルなので、会員は差額の442ドルお得に手に入れることが可能。

・さらに会員が新規会員を紹介すると、新規会員一人につき1ヶ月分会費が無料になる。(なのでもし11人を紹介したとすればあなたが12ヶ月間で支払う金額はわずかに79ドル)

・DWISS製品の会員割引特典。

・毎月会員間で抽選が行われ、DWISSの腕時計が会員にプレゼントされる。

箇条書きしたこれらのポイントからは、これが「腕時計デザインクラブ」ではあるものの、デザインした新作スイス製腕時計を安価に手に入れる以上の特典があることがおわかりになるだろう。


デザインプロセス




これからメンバーと共に腕時計を作っていこうというこの企画だが、すでに基本仕様は公開されている。使用ムーブメントはスイス製、ETA 2824-2。風防はサファイアクリスタル製で、ケースは316Lステンレススチール製。防水性能は少なくとも100m。

クラブは10月にローンチするのだが、デザインのためのプロセス自体はすでに始まっており、ケース部のデザイン案が4つ提示されている(すでに投票じみたことができるようになっているが、それはあくまでも例として示されているだけであり、実際の投票は10月に入ってから、そしてもちろんメンバーのみが投票可能だ)。提示されているデザイン案は、これまでのDWISSのデザインの流れをくんだものから、これまでのDWISSに見られなかったスタイルのものまで様々だ。ケース案の詳細は3DやARを使っても確認できる。

10月・11月にはメンバー投票が行われ、これらの案の中からケースの大まかなスタイルが決定される。その後12月にケースのサイズや仕上げ、アップグレードなどがメンバーの提案に基づいて決定。

2020年1月には文字盤デザインの投票。2月にはストラップ、クラスプ/バックルなどデザインの細部が調整され、3月にはデザインの最終化とカラーバリエーションの決定。4月にコレクションのファイナライズ。5月にはプロトタイプが提示され、6月から9月にかけては部品の製造とその工程のモニタリングに費やされる。

10月にはついに時計組み上げ、そして11月にはクラブメンバーへの発送。

作られる腕時計のデザインに関して心配される方もおられるかもしれない。だがDWISSの創設者であり腕時計デザイナーであるRafael Simoes Miranda氏は先にも述べたようにこれまでに多数のデザイン賞を受賞している。また、完成後は国際的なデザインコンペティションにも出す予定となっており、先にも述べたようにその際にはメンバーがデザインチームという扱いで提出されるため、受賞の際にはメンバー共に受賞できるのだ。

でも、デザインはメンバーによる多数決投票で決まるわけだし、もし完成したデザインが自分の気に入るものでなかったら・・・。その場合には同等の販売価格の他のDWISS腕時計を代わりに手に入れることが可能だ。


その他諸々



もしも途中でキャンセルしたくなったらいつでも可能だ。その際にそれまで支払ってきた金額を返金することはできないが、支払い済み金額はDWISSストアで使用可能なクレジットに変換される。DWISSは腕時計であれば手頃な390ドル程度のものから1万4900ドルほどの高級モデルまで販売しているし、腕時計用アクセサリとしてストラップ類も(多くはDWISS専用モデルだが、他社の腕時計にも着用可能な45mmや40mmのストラップも)あるのでもし途中でやめたとしてもいろいろ救済案はあるといえるだろう。

また、もしもやむ終えない事情でスケジュールに遅れが生じた場合にも返金には応じないものの、待てないのであればやはり支払った金額と同等の価値の製品をDWISSストアから入手可能とのこと。(ただし、何らかの事情でDWISS自身がこのクラブをキャンセルすることになった場合は支払い済み金額全額が返金される。詳細はクラブのTerms and Conditionsをお読みあれ。)

参加メンバーは10月には200人限定で受け入れられる。もしかしたらその後に受け入れ枠が拡大される可能性もあるそうだが、枠が拡大されない可能性もあるとのこと。どちらにせよ4桁台の膨大なメンバー数に拡大するようなことはないので、そのため毎月腕時計がもらえる抽選も、デザインされる腕時計のメンバー特別版限定数も法外な数にはならないはずだ。

完成する腕時計の一般販売価格は1390ドルとなることは先にも述べたが、メンバー外の人がこの腕時計を購入したい場合、手に入れることができるのは全メンバーに腕時計が届いて以降。今のところMiranda氏は一般販売は少なくとも2021年1月以降になるだろうとしている。


顧客と共にデザインを



実はDWISS創設者のMiranda氏が語ってくれたところによると、これまでDWISSの顧客から度々デザインに関するアイデアや要望を受けたことがあったそう。とは言え一人の顧客のために新規に製造を開始するのはさすがにできない。そんな中で顧客のデザインの要望を直接的にくみ取り、製品に生かす手段として生み出されたのがこのクラブというわけで。

DWISSの新作を月賦で予約購入することに似ていると捉えることもできるだろうし、ある意味ではクラウドファンディング的にDWISSの新作を支援する形にも見えるが、実際にはDWISSの新作を共に形作るという点で月賦ともクラウドファンディングとも異なる。

12ヶ月という比較的長い待ち時間があるのもまた事実ではあるが(クラウドファンディング的に考えれば順当な期間とも言えるが)、この期間もメンバー達の興味を失わせないように毎月の抽選があるのは好ましい。

なによりも、2011年から続く腕時計ブランドの「スイスメイドの腕時計」のデザイン課程に自ら関わることのできると言う、時計好きなら見逃すことのできないまたとない機会だ。

それに、もしすでにDWISSの腕時計とそのスタイルが以前より気に入っていた、気になっていた、と言う方にとっては特に嬉しいクラブ特典となっている。ただし、10月の時点では全世界から会員数200名、以降も会員数最大は500名という制限があるので、興味のある方は(毎月少額払いは嬉しいけれども)お財布や家計とご相談の上でお早めにご決断されると良いだろう。

登録されたい方はこちらのリンクからどうぞ


Image courtesy of DWISS

Source: DWISS

(abcxyz)
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